週末ファーマーによる自然農の野菜栽培

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自然農の野菜づくり

第1章 生命の営みをつなぐ自然農の要諦(畑の準備をする、野菜を切らさない作付けの工夫 ほか)
第2章 自然農の野菜・つくり方のポイント
第3章 自然農の野菜などの加工・保存の工夫


自然農・栽培の手引き
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 川口由一氏の提唱する"自然農"を理想として、耕起せず、肥料はやらず、雑草は抜かず、害虫をも防除しない(化学農薬も自然農薬も不使用)で、野菜を育てることを目指しています。多種類の豊富な動植物と共存する生物多様性を実現する家庭菜園にするべく、群馬県西部で週末に農作業をしています。ビニールのマルチやトンネルなどの非再生資材は使わず、農業機械も使わずエコロジーです。ただ、地力不足なので、有機質肥料を少し与えることもあります。


自然農法とは
 自然農法とはどのようなものであるか考えてみたい。

自然という言葉の付く農法はたくさんある
 "自然"や"天然"という言葉が含まれる農法(農作物の栽培方法)は、後述するように数多くあり、"有機農法"のように公的には定義されておらず、各自で名乗ってよいため(商標登録されている場合を除く)、栽培者によって栽培方法がかなり異なる。"自然の仕組みを生かした栽培"や"作物本来の力を生かす"などというあいまいな表現や商業のための時流に乗った表現として自然や天然という言葉を使っている人もいるようである。農作業の工程にはかなりの差があり、「耕起、除草、堆肥施用、自然農薬散布」までして慣行農法とほとんど変わらないような場合であっても、自然という言葉を付けている農法の例もある。ひどい場合には、「反自然・不自然でなければ自然農法だ」というその人にしか分からない理屈もある。
 "自然"という言葉の持つ多義的な意味は、混乱を招きやすい面があるうえに、生産者と消費者にとっては、基本的な用語、農薬、肥料などの解釈も違う場合も多く誤解も生じやすい。そこで、自然農法、自然農、有機農法などの各農法の違いとその意味について私なりに考える。
 名乗る名前は、基本的には自由でよいのかもしれないが、有機農法では誤解の多さから法律で表示が制限されることとなった。いまだに、農薬を使っていても有機肥料を施しているから有機農業だという生産者や、低農薬有機栽培などと宣伝している例もよくみかける。"自然農法"という言葉でも、いたずらに混乱を招くばかりでは、自らの利益にはならない。
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2013.02.18 Monday | その他 | comments(24) | trackbacks(1) | pookmark |
硝酸態窒素と発ガン性について
 硝酸塩は、水、土壌、植物、食品中など、どこにでも存在し、人間の体内でも硝酸塩を作っており、体液中にも存在するありふれた物質であり、人体に危険性のあるものではない。
(※化合物命名法や学術用語集では、「硝酸窒素、亜硝酸窒素」という名称であるが、「硝酸窒素、亜硝酸窒素」という名称も使われている。)

 「FAO/WHO合同食品添加物専門家会合(JECFA)は、硝酸塩の摂取と発がんリスクとの間に関連があるという証拠にはならないという見解を発表した・・・wikipedia 硝酸塩より」
 硝酸塩の危険性については、書籍の「硝酸塩は本当に危険か − 崩れた有害仮説と真実 (自然と科学技術シリーズ)」が、ヒトへの健康問題に付いて詳細に検討されており、非常に役立つ。抜粋すると「乳児メトヘモグロビン血症は、硝酸塩含有量が高いことが原因なのではなく、微生物汚染が原因である。発ガン性のN-ニトロソアミンの生成により、理論として硝酸塩摂取とガンは関係付けられているが、疫学的調査によれば関連性は確認できず、むしろ抗ガン性の可能性を示している。WHO、米国、EUによる飲料水と食品中の硝酸塩の規制法は、科学によって支持されず、再吟味されるべきである」。
 結局のところ、硝酸塩の問題は、硝酸塩のリスクを過大評価し、誤った危険性が世界的規模で広まってしまった例と思われる。

 自然農法の野菜を販売している店や農家の一部で、硝酸態窒素の害を誇張し、不安をあおって、商売に利用している例がある。「○○だそうだ」、「何とかのようだ」などの表現ばかりで根拠を示さず、商品に誘導しようとするのは、悪質商法によくある手口である。
 農林水産省などの機関への硝酸塩の問い合わせも増えているようで、農林水産省のホームページには、野菜中の硝酸塩に関する情報が、一般向けに詳しく記載されているので読んでおくとよい。また、1998年に開催された日本学術会議シンポジウム 土と水と食品の中の硝酸(NO3)をめぐる諸問題 講演資料は、全78ページが公開されていて非常に詳しい。

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2012.10.08 Monday | その他 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
初霜、晩霜、気温の平年値
 霜は、風がない場合には、気温がおよそ5℃以下でも発生することがある(wikipedia)。これは、地表付近の温度のほうが低くなるためである。
 気象庁の霜注意報は、「霜によって農作物に著しい被害が予想される場合」に発表され、地域によって発表基準が異なるが、おおよそ最低気温が2〜4℃以下になると予想される日となっている。前橋地方気象台では、早霜・晩霜期に3℃以下となっている。
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2012.06.16 Saturday | その他 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
福島県天栄村の大家族 幡谷さん一家について
 当記事では、テレビで放映された幡谷自然農園を見て、感銘を受けた当ブログの著者(幡谷さんとは面識はありません)が、感じた感想や調べたことなどをまとめたものです。
 現在のご様子は、幡谷さんご自身のブログに詳しく写真付きで掲載されています。
幡谷自然農園 日記

スパモク「激闘大家族スペシャル 自給自足19年・大自然の小さな家」のパート2が、2012年7月7日に放映されました。
【番組内容】
 福島県天栄村に住む、2男3女7人の幡谷家。山の中の一軒家に住む家族は大自然の恵みを大切にしながらも過酷な環境での自給自足生活。今回はその後を取材。厳しい冬から恵みの春へ。3月11日の東日本大震災の被害から家族全員での復旧作業と家族の中心となってきた長男の新たなる旅立ちを迎えると共に、家族それぞれが動き出した幡谷家。長男が旅立った幡谷家の子供達の今と家族の新たなる挑戦が始まる。

出演者 幡谷家 父:壮太(そうた)(52歳) 母:秀美(ひでみ)(48歳) 長男:原太(げんた)(大1) 長女:明里(あかり)(高2) 二女:沙弥香(さやか)(中3) 二男:勇太(ゆうた)(小6) 三女:友香(ゆか)(小4)

以下は、前回パート1の放映時(2010年12月23日)に書いたものですが、リンク切れ等があったので、2012年に一部修正しています。

自然農法をしているという幡谷(はたや)さん一家7人


 幡谷(はたや)さん一家は、福島県天栄村の人里離れた標高450mの山中で、幡谷自然農園、無農薬無化学肥料栽培の稲作(自然農法)から農業を開始し、現在では、稲作だけでなく、養鶏、パン工房、農家民宿も営んでいる。農園は、田んぼは9反、畑は5反、無農薬、無化学肥料栽培。民宿では、ご夫婦ともギターを演奏し、お客さんと一緒に歌ったりしているそうである。また、ふくしま移住者e-ネットで、幡谷さんは「ふくしま元気移住者メンバーズ」として活動し、移住者のために助言している。子供達は遠距離の自転車通学で、高校生の長男は片道30キロ、小学生は片道5キロ、中学生は片道10キロである。

略歴
 幡谷壮太(はたや そうた)さん・秀美さん夫婦は、自給自足をするため福島県天栄村に1991年に移住し、電気も通っていない山間で、新婚生活をプレハブ小屋からスタートさせ、自分たちで家を建て、田畑の開墾までし、その後、2男3女に恵まれて現在では7人の大家族だ。元オートバイレーサーだった幡谷壮太さんは、ペアを組んでいた相手が転倒して亡くなったのを機に、28歳で引退し、命を育てる農業に関心を持ったという → テレビ東京 日曜ビッグバラエティ 自給自足物語ようこそ!我らが夢のふるさとへ 2004年07月04日放送

自家製天然酵母パン
 パン工房のレンゲ畑のハニーハウスは奥さん担当、パンは自家製の天然酵母で、酵母は玄米を発芽させてから1週間以上かけて育てるという。
 パンの販売場所は天栄村の直売所「季の里天栄」と須賀川市の農産物直売所「はたけんぼ」の2ヶ所。また、ネット通販は、環境王国市場で天然酵母パンと手作りお菓子を扱っている。
追記:泉崎村「こころや」でも販売、フルーツケーキは、郡山フォーク喫茶かぽたすと

農作物の販売
 幡谷さんの作ったお米、野菜などは通販で購入できる。うるち米(コシヒカリ)の価格は、玄米650円/キロ、白米700円/キロ。TBSの番組で、米の収穫は9反で2.4トンとのことなので、反収267kg、この反収は地域平均の半分である(福島県は、地形や気候から、中通り、浜通り、会津の3つの地域に分けられ、天栄村は中通り地域であり、中通りの反収は平成22年産水稲で539kg)。お米の価格もそのような事情があって高めなのであろう。
 野菜は、うるち米を注文した場合に限り販売し、1000円〜2500円程度。お餅は、1000円/キロ。FAXやメールの連絡先、アクセスなどの詳細は幡谷さんのホームページ

農法
 幡谷自然農園のブログがあり、2005年10月からの記事が読めるので、今、私は拝見しているところだが、日記なので具体的にどんな農法なのかを知るには分かりにくく、読むのに時間がかかりそうだと思っていたら、ブログの他にホームページも開設されていた。→幡谷自然農園。ホームページによれば、生粋の自然農法を実践するための土地を探し求め、安全性にこだわった壮太さんは、水にもこだわり、一番上流の山の中、福島県天栄村の標高450mの山中に夫婦2人で移り住み、田は9反、畑は5反、完全な無農薬、無化学肥料栽培だそうである。現在では、自然農法の仲間が増え、新規就農者3軒が同じ農法を実践しているというから、自然農法による稲作は成功しているようである。

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2012.06.04 Monday | その他 | comments(3) | trackbacks(0) | pookmark |
木村秋則氏の著書「奇跡のリンゴ」、「自然栽培ひとすじに」等を読んで
奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録
石川 拓治 著、2008年

 "自然栽培ひとすじに"では、木村氏の大きな顔写真がなかったように思うが、本書表紙の歯のない口元に思わず目が釘付けになった。この写真の時は、まだ57,8歳だろうに。自然栽培ひとすじにでは、前歯が1本折れた理由が書かれていたけれど、前歯以外も失ってしまうとは。本書を読んだら、なぜ他の歯もないのか分かった(p.146)が、ほんとうに無茶ばかりする人だ。「自分の歯よりもリンゴの葉が大事」と木村さんは言っているが、きっと歯周病だ。私は歯周病の初期で、一生懸命に歯の手入れをしているけれど、放置したら、すぐに悪化する。私にとって歯はすごく大事。でも、木村さんのように興味のあることのみに夢中になれる人だからこそ、偉大なリンゴ栽培を成し遂げられたのだ。
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2010.12.12 Sunday | その他 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |