週末ファーマーによる自然農の野菜栽培

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自然農の野菜づくり

第1章 生命の営みをつなぐ自然農の要諦(畑の準備をする、野菜を切らさない作付けの工夫 ほか)
第2章 自然農の野菜・つくり方のポイント
第3章 自然農の野菜などの加工・保存の工夫


自然農・栽培の手引き
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 川口由一氏の提唱する"自然農"を理想として、耕起せず、肥料はやらず、雑草は抜かず、害虫をも防除しない(化学農薬も自然農薬も不使用)で、野菜を育てることを目指しています。多種類の豊富な動植物と共存する生物多様性を実現する家庭菜園にするべく、群馬県西部で週末に農作業をしています。ビニールのマルチやトンネルなどの非再生資材は使わず、農業機械も使わずエコロジーです。ただ、地力不足なので、有機質肥料を少し与えることもあります。


トウモロコシの栽培
 トウモロコシ(スイートコーン)は、イネ科トウロモコシ属。連作には比較的強い。

キセニア現象
 キセニアとは、受粉によって、種子の胚乳部に花粉親の形質が現れること。トウモロコシは、胚乳部が種子の8割を占めるので、キセニア現象が生じると、影響が大きくなります。家庭菜園の場合では、ポップコーンや「もちとうもろこし」など粒が固かったり、あまり甘くならない品種を、スイートコーンの近くで栽培した時に問題になります。スイートコーン同士の受粉では、市販の種はスーパースイート種が多いので、交雑して、色が違う粒が混じってしまったとしても、味はさほど変わりません。しかし、ポップコーンとスイートコーンが交雑してしまうと、どちらも満足できないものになってしまいます。ポップコーンが破裂しなかったり、スイートコーンが固くなったりしたら困ります。そこで、できるだけ他のトウモロコシから遠ざけることになります。家庭菜園の小さな畑では、現実的には花粉源となるトウモロコシから10メートル程度離れていれば、交雑率は0.3%以下であると考えられるので、ほぼ問題ないと推測できます。
 →参考)「ひと目でわかるトウモロコシの交雑 -キセニアを利用した交雑率の簡易調査法-」によれば、0.3mの距離では交雑率は23%だが、4.2mの風下では1%〜10%以上の交雑率となり、10m〜50mの風下では交雑率は0.3%〜0.1%の範囲で極めて低くなり、距離によって交雑率は急激に低下する。

スイートコーンの自家採種
 市販されているスイートコーンは、F1品種ばかりで固定種がない。このため、自家採種をすると形質がばらつく、さらにトウモロコシは風媒花で他家受粉のために多品種と交雑を起こしやすい。甘い品種ほど種子に蓄えられるデンプンが少ないので、発芽力が弱く、腐りやすい。このため、スイートコーンは自家採種には向いていない。しかし、自家採種をすれば、種子消毒されていない種子を得ることもできる。
 「トウモロコシについては600m前後でほぼ交雑が生じない状態と言え、防風林がある場合には、300mでほぼ交雑が生じない状態と言えるのではないか(栽培実験対象作物別の隔離距離の考え方)」とのことであるが、実際に、これほどの距離を確保できる家庭菜園は少ないと思うので、交雑を防ぐには紙袋で花粉を遮断し、人工授粉させることが有効であろう。
 人工受粉は、自家採種ハンドブックに記載されている方法を要約すれば、「絹糸の先端を揃えるために、雌穂の絹糸が出る前に包皮の先端を1僂曚廟效任掘∋翅泙鬚ぶせる。3、4日後に絹糸が出たら、数本の雄穂から花粉を採取し、雌穂の絹糸にふりかける。全ての粒へ受粉させるために、2、3回繰り返す。絹糸は何週間も受粉可能なので、絹糸が茶色になるまで紙袋で覆っておく」という。しかし、"絹糸が何週間も受粉可能"とあるが、「絹糸は抽出後2週間は受精能力を有する。絹糸は雌穂の基部付近の種子からのものが先に抽出し、先端の種子の絹糸が抽出するには数日かかる(まちのみどりと園芸の相談、千葉大学園芸学部)」とのことなので、2回目の受粉をするのであれば数日後に行えばよいのであろうし、3回目の受粉は必要ないと思う。
おひさまコーンの自家採種 穂を包む皮(苞葉)が白っぽくなったら穂ごと収穫し、天日で乾燥させてから、脱粒する。種が熟すと、スイートコーンの種子にはデンプンが少ないので、しわくちゃになる。写真の品種は、おひさまコーン[収穫2010/9/12]

 種子は乾燥すると休眠しないので、熟したら、雨にあたらぬうちに採種する。
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2014.10.21 Tuesday | 野菜栽培 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ソラマメの栽培
ソラマメの品種
 商品価値が高いのは、大粒で3粒莢以上なので、市販されている品種は、ほとんど3粒莢以上の品種である。しかし、2粒莢が多い品種や5粒以上入る品種もある(莢の中の粒が少ないほど、大粒になる)。豆は、緑色の粒が多いが、初姫蚕豆のように茶色の粒となる品種もある。駒栄蚕豆は、花芽分化に低温を必要としないので、春まき栽培ができる。
 グリーンデポが販売しているソラマメによれば、「陵西一寸はおいしい食味が評価されて日本で最も売れているそら豆品種の一つ、打越一寸は作りやすくおいしい一番人気のソラマメ品種でソラマメの2大品種の一つ」とのこと。野口種苗によれば、「河内一寸そらまめは、そら豆中最大粒の大阪伝統種で耐寒耐病性強く栽培し易い晩生種」とのこと。
 なお、私は種の購入は、全商品定価の半額となっている国華園の激安タネで、河内一寸そら豆を150円で購入。

ソラマメの育て方
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2013.09.25 Wednesday | 野菜栽培 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ラッカセイ(ピーナッツ)の栽培
無施肥のラッカセイ収穫地力がなくてもラッカセイはそこそこ収穫できるので、ありがたい作物です。

落花生の種の寿命
 「0℃より少し高い温度で湿度5%に保てば、4年までは貯蔵することができる。空気にさらしていては、ほとんど1年ももちません(自家採種ハンドブックより)」とのことであるが、常温でも低湿なら長期間にわたり高い発芽率を保つ。種類によって種の寿命は異なるが、寿命の長いスパニッシュ・タイプ(油料用の小粒種)の莢つき種子の発芽寿命が常温下でも3〜6%の水分含量では、15年〜28年間保存した16品種が80〜100%の発芽率であった(参考1より)。
 なお、私が自家採種して、ポリ袋に殻付きのままで入れただけの状態で保管していた種でも、翌年の発芽率は9割以上であった(2年連続で試して)。
参考
1)常温下に於けるラッカセイの莢つき種子の長期発芽寿命
2)ラッカセイの果皮(莢殻)の機能に関する研究 : 1.莢つき種子の長期発芽力の保持について

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2013.04.05 Friday | 野菜栽培 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
食用ヒマワリの育て方
食用ヒマワリの種 ヒマワリは、用途別に、油糧用、食品用、観賞用に分けられ、用途に適した品種を選ぶ必要がある。油糧用は、含油率は高いが殻が剥きにくく食品用にはあまり向かない。
 ヒマワリの原産地は、アメリカ合衆国であり、先住民は紀元前3000年には栽培していたそうである。19世紀に正教会では、ほとんど全ての油脂食品を禁止していたが、ヒマワリは禁止されていなかったので、ロシアではヒマワリが常食され、現在ではロシアが世界一の食用ヒマワリ生産国になっている。

ヒマワリの種の成分
 油糧用のヒマワリでは、オレイン酸の含有量が多い「中オレインタイプ」が主流になっている。平山ら(*2)によれば、福島県内で主に栽培されている3品種の脂肪酸組成を調べたところ、従来のハイリノール種が「ハイブリッドサンフラワー」、「IS6767」であり、近年の中オレイン酸品種が「春りん蔵」であった。春りん蔵では、5月上旬に播種したものがオレイン酸含有率が最も高く、播種時期が遅くなるほど減少する。また、施肥量は、脂肪酸組成には影響しないという。
 wikipedeiaによれば「1990年代までリノール酸が70-80%、オレイン酸が10-20%のハイリノールタイプが主流であったがω-6系列の脂肪酸であるリノール酸の発ガンや高脂血症、アレルギー等との因果関係が報告されるにいたり、リノール酸が15 - 20%、オレイン酸が40 - 60%の中オレインタイプのNuSun品種が伝統的な交配育種法により育成され、2000年以降は主流となっている」と表記されてリノール酸の害を指摘しているが、これは過剰摂取によるものである。リノール酸は必須脂肪酸であり、人間の体内で合成できないため、ISSFALでは「リノール酸の1日あたりの適正な摂取量は全カロリーの2%(4-5g)」としている。ただし、日本人のリノール酸摂取量は、平均して13-15g/日であり、過剰にω-6脂肪酸を摂取している状況である。

生育温度・開花日長
 「ひまわりは本来20℃以上を生育適温とする高温性作物ですが、低温にも強く5〜10℃程度でも生育自体は可能です。しかし、低温では到花日数が延び奇形花の発生が懸念されますので最低15℃を確保します」(*4)
 群馬県前橋では、旬ごとの最低気温の平年値が15℃以上であるのは、10月中旬までである。

開花生理
 「ヒマワリは、相対的長日性植物だが、品種改良により現在では相対的短日性や中性を示す品種もある。相対的長日性を示す品種は、夏場の長日期作型に適し、相対的短日性を示す品種は、冬場の短日期作型に適する。しかし、日長感応はあくまでも相対的なもので一定の栄養生長を経過すれば花芽誘導が行われる。そのため、短日性品種でも、基本栄養生長期間が長日性品種より短いものがあり、そのような品種は夏場の長日条件下での栽培に十分対応できる」(*5) 相対的短日性や中性の品種は、切花用に開発されたようである。相対的長日性の品種は、は種後、長日条件下で約60日、短日条件下で約80日で開花する。

栽培期間
 ヒマワリの生育期間は、平均気温によって左右されるが、約90日間であり、播種から花芽視認までが約30日、開花(筒状花開花)までが30日、成熟期が30日である。収量・千粒重はいろいろな要因に影響されるが、開花後の成熟期では、平均気温が20℃以下で最大となる(Chimentiら,2001)。

ヒマワリの生育ステージ(Schneiter とMillerによる。R3以前は省略した)
R4 舌状花視認
R5 筒状花開花
R6 舌状化萎凋
R7 花床後部が淡い黄色になり始める
R8 花床後部は黄色、苞(ほう)は緑のまま
R9 苞が黄色、または茶色になる

種まき
「種まき時は、人差し指の第1関節程度(約2センチ)の穴をあけ、そこに1〜2粒まき(2粒まきの場合は後で1本に間引きます)します(*6)」。また、川砂に種を埋めた実験では、深さ30mmまでは発芽率に差はない(*7)。とのことであるので、畑の土質や乾燥状況に合わせて、深さ1cm〜3cm程度に埋めれば良いと思われる。なお、ヒマワリの種は大きいので、水平に埋めると、土が固く締まるような土質では、発芽しにくくなる場合も考えられるので、種を先が尖った方を下にして土に押しこむように埋める方法もある。

収穫
 開花後30日〜50日、苞(ほう:花の外側にある尖った三角形の部分)が黄色または茶色になったら収穫する。収穫は、花の後ろで切り、花托ごと持ち帰って、日に当てて乾燥させる。花托ごと乾燥させるのは、収穫直後は種を取り出しにくいので、乾燥させて種を取り出しやすくするためである。花托から取り出した種は、さらに日に当てて乾燥させる。
 なお、油糧用ヒマワリ「春りん蔵」を5月上旬に播種した場合、成熟は開花後51日であるが、子実の千粒重は成熟15日前、含油率は10日前に成熟期のものと同等となっており、ヒマワリの子実は成熟期の10日前には完成していたという(*8)。

食用ヒマワリの食べ方
 種を、茹でたり炒ったりする。また、発芽させたもの(スプラウト)は、茎が太くても柔らかくて、欧米では人気がある。
 炒り方は、数分フライパンで炒るだけ。好みで、塩水に浸してから炒る。
・口の中に一度に数個入れて、口の中で一つづつ前歯や下を使って殻をむいて、中身を食べて、殻を吐き出す。
・種をひとつ親指と人差し指で挟んで、種を縦にして、前歯で軽く噛んで割れ目を入れてから、指でちょっとひねるようにして殻をずらして、中身を取り出す。器用な人は、口の中に入れたままで、中身を舌先を使って取り出すことができる。
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2012.09.12 Wednesday | 野菜栽培 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
タマネギの栽培
タマネギの花芽分化と抽台対策
 「花芽分化は品種や系統によって大きく違うが、一定の成長期に10℃前後またはそれ以下の低温下に一定期間さらされると花芽分化する(wikipediaより)」とのことであり、"一定の成長期"とは一般的には茎の直径が1cm(7mmと書いているものもある)である。ただし、タマネギの苗が小さいと、寒さに弱く越冬できずに枯れたり、越冬しても収穫時のタマネギが小さいことになる。そのため、抽台しない最大の大きさにすることが収量を上げることになる。農業技術大系によれば、6ミリ程度の太さを目標に育苗するとしている。品種によって抽台しない茎の大きさは異なるので、耐抽台性の高い品種を選ぶことも対策になる。
 苗の大きさが適当であっても、窒素が不足すると花芽分化することがある。そのため、生育の初期に窒素を少し多めにすると効果がある。
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2012.07.28 Saturday | 野菜栽培 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |