週末ファーマーによる自然農の野菜栽培

最近の記事
このページの記事
記事の分類
本の紹介

自然農の野菜づくり

第1章 生命の営みをつなぐ自然農の要諦(畑の準備をする、野菜を切らさない作付けの工夫 ほか)
第2章 自然農の野菜・つくり方のポイント
第3章 自然農の野菜などの加工・保存の工夫


自然農・栽培の手引き
最近のコメント
リンク
自己紹介
その他
QLOOKアクセス解析
 川口由一氏の提唱する"自然農"を理想として、耕起せず、肥料はやらず、雑草は抜かず、害虫をも防除しない(化学農薬も自然農薬も不使用)で、野菜を育てることを目指しています。多種類の豊富な動植物と共存する生物多様性を実現する家庭菜園にするべく、群馬県西部で週末に農作業をしています。ビニールのマルチやトンネルなどの非再生資材は使わず、農業機械も使わずエコロジーです。ただ、地力不足なので、有機質肥料を少し与えることもあります。


前の記事 : << 下仁田ネギの栽培
次の記事 : ダイコンの栽培 >>
サツマイモの栽培
サツマイモ苗の植え付け
 サツマイモは痩せた土地でも育つので自然農向きである。サツマイモの植え付けは、地温18℃以上であれば早いほど収量は多くなる。地温15℃以下では、苗の活着が悪く、その後の生育も極めて悪くなる。植え付けは、群馬では適期が5月中旬〜5月下旬、6月中旬以降は収量が少なくなるようだ。
 イモは、土に埋めた苗の「葉柄の付け根部分」に太い根の「不定根」ができ、それが生長してイモになる。そのため、苗の葉を枯らさないように葉は土に埋めないように注意して、根元から4〜5枚の葉柄の付け根部分が土に埋まるようにする(水平植え・舟底植え)。苗を直立させたり斜めにしたりして(斜め植え・直立植え)、土に埋める葉柄を少なくすると、できるイモの数は少なくなるが、早く太るようになる。
 自然農では、地表面が雑草で覆われているような場所では、移植ゴテやスコップなどを斜めに土に入れて、苗を差し込む方法もあるが、雑草の根などを取り除いたほうが細かい作業がやりやすい。
深水にしたサツマイモの苗の葉は枯れた 購入した苗がしおれているからといって、苗を深く水に漬けると、葉が落ちてしまうので、水は薄く張る。あるいは、水に塗らした紙で包んでおく。左の写真は、深さ10cmほどの水に一晩入れておいた紅あずまの苗で、植えつけした時は葉は元気であったが、1週間後には全ての葉が枯れていた。手前の土を少し掘ってみて、土の乾燥具合を見たが、葉が落ちていない苗と同じような状態だったので、深水が原因で葉が枯れたのだ。
紅あずまの苗 しかし、全部の葉が枯れても、枯れてから2週間後には、新しい小さな葉が2枚出ていた(この苗だけでなく、他の8本の苗も同様な状態であった)

さつまいもの苗の例

生育
 サツマイモの生育適温は、22〜30℃。

苗の取り置き
。菊〜10日間の取り置きは、増収効果がある。特に、土の乾燥などの不良条件においては、活着や塊根形成を促進する。苗の下位葉は、10目から枯死し始めた。なお、取り置きは、相対湿度80-95%、弱光とした。
(中谷誠,サツマイモにおける苗の発根並びに根塊の形成・肥大に関する研究, 1990)より。
∈良弔ら植付までの期間は、苗の根に発根の兆しが見えた時が植え付け適期である。取り置きの期間は、気温で異なるので発根状況を見ながら決めるが、おおよそ3〜4月で4〜5日間、5〜6月で2〜3日間が適当である。取り置きをする場合は、倉庫など日光、風の当たらない場所に束ねて立てて置く。下には濡れムシロなどを敷き、ポリフィルムで被覆し湿度を保つと発根が早い。(農畜産業振興機構HPより)
 なお、根が伸びた苗は、植え付け時に、根が折れやすいので、丁寧に植える必用がある。

石灰
 皮が厚く、皮が赤くなるようである。ただし、サツマイモは酸性土壌(pH5.5〜6.0前後)を好むので、酸性度に注意する。

栽培管理
 サツマイモは、雑草や害虫に強いので、植え付けてから収穫まで放任。ツル返しもしない。

花外蜜腺とアリ
 サツマイモの葉のつけねには、花外蜜腺があり、甘い蜜を出し、アリを呼び寄せている。アリは、ハスモンヨトウやナカジロシタバの卵や幼虫を捕食するので、サツマイモにとって有用な虫である。
参考)サツマイモの花外蜜腺に集まるアリの捕食能力(寄生・捕食・生物的防除)

収穫
 生育日数は、早生120日〜晩生150日間。葉が黄変色したりツルが枯れたりするまで置いておくと過熟になりやすいので、収穫は生育日数で判断する。マルチ栽培では、収穫が遅れると肥大し過ぎやすいので、品種によってはイモに条溝ができやすくなる。早生では生育100日程度、晩生では120日程度から試し掘りしてみる。収穫が遅れ過熟になると、繊維質が増えたり、外観が悪くなる。

保存
 収穫したら風通しの良い日陰に1〜2日置き、乾燥させる。最適な保存温度は13〜15℃で、これより低くなると生理障害をおこし、9℃以下になると黒く変色する。室温が下がる季節には、保温のため新聞紙で包んでおく。
 地中80cm以上の深い場所なら、長期保存できるようだ。群馬県前橋市では、11月上旬頃に最低気温が10度以下になる。

害虫
コガネムシ類にかじられたサツマイモコガネムシ類の幼虫は、サツマイモの表面を浅くかじり、かじられた部分は黒くなってへこむ。
コガネムシ類の幼虫体長1〜3センチ、頭が褐色で、体は白色や乳白色の幼虫を掘りだすと、体を丸めているのが特徴である。堆肥や枯草などの有機物を鋤き込んだり、置いておくと成虫が匂いに誘われて飛来し、被害が多発する。幼虫は野菜の根ばかりでなく、芝、果樹、植木などの根も食害する。無農薬の商業農家が行う対策としては、フェロモントラップを設置してのコガネムシ成虫の捕獲、生物農薬がある。

イモキバガの巣イモキバガの幼虫。葉を折りたたんだり、葉と葉をつづり合わせたりした巣の中で、表皮を残して葉裏を食害する。サツマイモの他に、ヒルガオも食害する。[写真2010/8/15]

ネズミによる食害
サツマイモのネズミによる食害痕収穫が遅くなるほど野ネズミの被害に遭いやすくなるようだ。黒マルチをしていると被害に気が付きにくい。ネズミはモグラの穴を利用して移動することもあるようだ。写真は、10月4日に収穫したものだが、2週間前の収穫ではネズミの食害はなかった。
コメツキムシの幼虫(ハリガネムシ)

●裂開(皮が裂ける、割れる)
 生育初期の乾燥は裂開を悪化させるようなので、自然農的には、敷草が対策になると思われる。
・ベニアズマに発生した裂開や皮脈の発生要因と対策。裂開は、初期生育が旺盛で塊根形成初期の乾燥が強い場合に、下層の孔隙率が小さく根張りが制限されるような圃場で治癒しにくいため発生する。裂開を少なくするためには、孔隙率70%以上に高める圃場管理が有効であった(茨城県農業総合センター
・品種、栽培法により裂開症の発症率は大きく異なる。サツマイモの塊根は形成初期に肥大がよければ裂開は容易に誘起され、その後比較的容易に治癒するが、低温や乾燥条件下では治癒が抑制され、結果的に裂開症の発症率が増加する。(サツマイモ塊根裂開症の発症要因に関する研究,1987年)
・裂開症の発生要因として、土壌のアルカリ化やイモのカリ、窒素比が関係している(下水汚泥コンポスト多量施用畑におけるサツマイモ塊根部異常症,1985年)

サツマイモの本

育てて食べる、野菜の本 ジャガイモ サトイモ サツマイモ

 食味を含めた最新の品種情報から、菜園でのイモの育て方、保存のコツ、おいしい料理法まで紹介


サツマイモの栽培記録 2010年

タマユタカ
 形は短紡錘形、皮色は黄白色で両端が淡赤紫色、肉色は黄白色で肉質は中粉、食味は中。栽培環境に適応しやすく栽培しやすい。関東地方の蒸切干しの代表品種。

ことぶき
 高系14号から選抜された早掘り用品種で早期肥大性に優れる。皮は紅色。近所の苗屋の話では、イモは小さいが、ホクホクしておいしいという。

5月29日 株間35cmで植えつける。コトブキ11本 畝17C、タマユタカ13本 畝17R。昨年とは違う畝。
5月30日 前日に紅あずまを植える時間がなくて、深さ10cmほどの水に漬けておいた苗を植えた。
6月5日 半日ほど水に深く入れていた紅あずまは、葉がほとんど枯れており全滅に近い状況であり、中心部の小さな葉がかろうじて緑色をしている苗が少しあっただけであった。深く水に浸すと葉が落ちるということを知らなかったとはいえ、これほどひどい状況になるとは驚いた。雨が降らなかったので、コトブキは2本枯れ、タマユタカは1本枯れたかもしれないが、ほぼ活着したようだ。
6月19日 葉が枯れた紅あずまは、新しい葉が2、3枚出ていた。葉が枯れたので、イモの数は少なくなると思われるが、このまま育てる。
8月15日 紅あずまのツルの長さは、まだ20-30cmしかない。
タマユタカの草姿9月11日
 タマユタカを収穫した。昨年は堆肥を入れ黒マルチを使って栽培したが、今年は無肥料でマルチなしの栽培で、写真のようにツルはまばらで葉も少なかった。
タマユタカ収穫 地力がなく、無肥料だと、サツマイモも収穫は少なくなる。写真の品種は、切干イモ用の品種のタマユタカで、1本にジャガイモかリンゴくらいの大きさのイモが2個ほど付いていることが多かった。全部で13本あり、収量は合計5.1kg(1本あたり0.4kg)であった。
コトブキ収穫10月17日
 コトブキという品種を収穫した。サツマイモは痩せ地でも育ち、痩せ地のほうが甘いというが、11株で合計1.7kgの収量(1株あたり0.15kg)しかなく、あまりの少なさと10cmくらいしかないイモの小ささに驚いた。昨年は、施肥しマルチで栽培したから、よく育ったものだと1株で2kgの収穫があったので、昨年の10分の1くらいである。たしかに痩せ地でも育ったが、あまりにも収量が少ない。写真に写っている左側はタマユタカ、右側がコトブキ。コトブキは6株分。
ベニアズマ収穫10月24日
 サツマイモの苗の植え付け時に、苗を水に浸けてしまって、葉をほとんど枯らしてしまったベニアズマだが、ジャガイモくらいの大きさのイモが収穫でき、7株で合計1.4kg(1本あたり0.2kg)だった。畑の広さを持て余しているから、葉が枯れた苗を残しておくようなことができるけれど、普通はあきらめたほうがいいだろう。。
ベニアズマのツル なんともまばらな葉の紅あずま。こんな状態でも小さなイモが付くことに驚く。


2009年 サツマイモの栽培記録

春こがねハルコガネの葉脈色
 皮色は濃赤紫、肉色は黄。食味はベニアズマ並で収量は上回る。紅あづまに比べて条溝の発生が少なく、過肥大もしにくい。ネコブセンチュウやツル割病に弱い。葉脈が紫色でくっきりしている。
5/31 定植、畝間120cm、株間40cm
 近所の種苗店といっても、看板も満足にないような小さな店で、サツマイモの苗を、1本10円という驚異的な安さで買う。「春こがね」という品種と干し芋にいいという「玉豊」という品種。なお、ホームセンターの苗売り場では、5月上旬にサツマイモの苗は売り切れたそうである。
 母がよく育てているので、言われるがままに、堆肥と化学肥料を鋤き込み、黒マルチにして植え付けた。雨が続いているので、よく根付きそうだ。

6/14 75本の苗のうち、4本が活着しなかった。パープルスイートロードの苗をもらったので、補植した。

収穫まで放任で、ツル返し作業はしていない。

春こがね定植後106日目9/13 定植後106日目、春こがねを2本だけ試し掘りをした。収量は、1本がイモ3個で1.4kg条溝なし、もう1本が5個で1.7kg条溝は浅かった。ほとんどのイモにコガネムシ幼虫の食害痕が少しあり、イモの近くにコガネムシの幼虫がいた
9/19 「タマユタカ」を植えたはずなのに、イモの皮色は黄白色ではなく赤紫色であり、明らかに「タマユタカ」ではなかった。品種名を聞き間違えたらしい。
パープルスイートロードと干し芋の品種?9/19 収穫:パープルスイートロード 定植後98日目。1本で7個、1.4kg、細いけれど、甘みもあって収量も多く、パープルスイートロードはいい品種だ。左の写真で、左側がパープルスイートロード、右側が分からない品種。
9/21 20本ほど収穫。1本で2kgほどの大きなイモもあった。
パープルスイートロードパープルスイートロードは収量が多い。写真の株は、3.3kgもあった。
12/21 収獲したサツマイモは、12月になって甘さが増した気がする。まだ、サツマイモは全く痛んではいないが、残りが少なくなって寂しい。ちなみに、収穫後に天日で干したサツマイモは、皮の下が黒くなり、えぐみも出てまずくなった。



●この時期の他の野菜
ラッカセイ

2011.10.24 Monday | 野菜栽培 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
管理者の承認待ちコメントです。
| - | 2015/05/16 9:09 PM |
 

この記事のトラックバックURL http://naturefarm.iti5.net/trackback/3
トラックバック