週末ファーマーによる自然農の野菜栽培

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自然農の野菜づくり

第1章 生命の営みをつなぐ自然農の要諦(畑の準備をする、野菜を切らさない作付けの工夫 ほか)
第2章 自然農の野菜・つくり方のポイント
第3章 自然農の野菜などの加工・保存の工夫


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 川口由一氏の提唱する"自然農"を理想として、耕起せず、肥料はやらず、雑草は抜かず、害虫をも防除しない(化学農薬も自然農薬も不使用)で、野菜を育てることを目指しています。多種類の豊富な動植物と共存する生物多様性を実現する家庭菜園にするべく、群馬県西部で週末に農作業をしています。ビニールのマルチやトンネルなどの非再生資材は使わず、農業機械も使わずエコロジーです。ただ、地力不足なので、有機質肥料を少し与えることもあります。


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ラッカセイ(ピーナッツ)の栽培
無施肥のラッカセイ収穫地力がなくてもラッカセイはそこそこ収穫できるので、ありがたい作物です。

落花生の種の寿命
 「0℃より少し高い温度で湿度5%に保てば、4年までは貯蔵することができる。空気にさらしていては、ほとんど1年ももちません(自家採種ハンドブックより)」とのことであるが、常温でも低湿なら長期間にわたり高い発芽率を保つ。種類によって種の寿命は異なるが、寿命の長いスパニッシュ・タイプ(油料用の小粒種)の莢つき種子の発芽寿命が常温下でも3〜6%の水分含量では、15年〜28年間保存した16品種が80〜100%の発芽率であった(参考1より)。
 なお、私が自家採種して、ポリ袋に殻付きのままで入れただけの状態で保管していた種でも、翌年の発芽率は9割以上であった(2年連続で試して)。
参考
1)常温下に於けるラッカセイの莢つき種子の長期発芽寿命
2)ラッカセイの果皮(莢殻)の機能に関する研究 : 1.莢つき種子の長期発芽力の保持について

種まき
 落花生の発芽には地温20℃以上が必要で、関東地方では最高気温が25℃を超えてくる5月中旬〜6月上旬が適期。地温が低いうちに早まきをすると発芽しないので、注意が必要。
 サヤから種を取り出して、一晩、浸水させる(吸水させなくても、問題ない)。1ヶ所あたり1〜2粒づつ播く。発芽後に間引かずに、2本で育ててもよい。発芽さえすれば、ほとんどの株がそのまま収穫までできるので、濡らしたキッチンペーパーで種を包むなどして発芽させて、発芽を確認できた種だけを1粒づつ播くと無駄がない。
 「ラッカセイでは胚部を下に、子葉先端を上にして縦に立てたものの出芽は良好で、これと逆方向のものは幼根が先に地上部に出る異常出芽を示し出芽が悪かった(参考1)」。種を埋める方向が分からない場合は、種を水平に埋めれば問題ない。
参考)1.ラッカセイ種子の置床方向と出芽との関係
2.ラッカセイにおける採種栽培の違いが種子の出芽と初期生育に及ぼす影響
3.農文協食農教育2007年3月号 ラッカセイの出芽の様子


鳥による食害
ラッカセイの根 ラッカセイは、子葉が地中に残る地下子葉型ではなくて、子葉は地表面で展開する中間型であるため、発芽時に鳥に食べられやすい。対策として、釣り糸などを高さ10cmほどで張っておくとよい。

ラッカセイの収穫適期
 開花から80日(品種によっては開花後95〜100日)。収穫が遅れると、堅くなり、莢は黒褐色で外観が悪い。試し掘りを行って、さやの網目がくっきりしていたら適期。表面が白く、網目のハッキリしない莢は未熟。
掘り取りの適期 千葉県長生農林振興センター:ナカテユタカ・郷の香では、さやの裏の色で収穫適期が判断できるという。

自家採種
 「容易に自家受粉するが、他の品種とは15メートルは離す。殻付きのまま保存する(自家採種ハンドブックより)」。

塩ゆで落花生
 殻のままの生ラッカセイを、弱火で鍋にフタをして、海水くらいの塩分で30-60分、好みのやわらかさになるまで、試食しながらゆでる。ゆでる場合は、熟し切らない若い豆のほうがおいしい。収穫した豆のうち、網目がしっかりしていない未熟なものや小さいものは炒り豆に適さないので、ゆでて食べた方がよい。

落花生の品種
 黒落花生は、薄皮が黒紫色。薄皮ごと炒めると香ばしく、また茹でると甘みがありおいしい。ジャンボ落花生は、サヤが一般品種の2倍程度と極めて大きい落花生で、大粒で柔らかく、甘みがあり、ゆで豆に適している。


ラッカセイ栽培 2013年 おおまさり

種:国華園 おおまさり PVP
【特性】見てびっくりの超大粒!その大きさはなんと従来種の約2倍に。殻はむきやすく、甘味濃厚で茹でるだけで絶品です。収量も従来種の約1.3倍の多収品種。
茹で落花生に向く、大粒で甘い豊産性の晩生品種です。開花後約85日前後が収穫適期。草姿はほふく性で草勢が強い。
栽培:株間30cm、条間45cm、1穴に2粒播種する。肥料は10aあたりN3kg・P10kg・K10kgを目安とします。マルチは開花後1週間前後で除去してください。
中間地:播種5月初旬〜5月下旬 開花期7月初旬〜8月初旬 収穫期10月初旬〜下旬
発芽適温 20℃
数量 50g(莢に入った状態:数えたら種は22粒であった) 生産地 千葉県 2013年2月現在発芽率60%以上 購入価格 450円
有効期限 発芽率検定試験日より1年



ラッカセイ栽培 2012年 郷の香

種:国華園 ゆで落花生 郷の香PVP
【品種特性】夏から収穫できる早生の最高品種。茹で落花生に最適の早生品種で開花期後70〜75日で収穫できる非常に味が良く、ビールのお供に最適。草姿は立性で、草勢はおとなしい。
【栽培方法】種子は1晩浸水し、30cm間隔で2粒づつ点播きします。本葉が9〜10枚になったら摘芯します。開花が近づいたらリン酸・カリを多く含む肥料を少量施し、中耕・土寄せします。発芽適温が高いため早播きは避け必ず地温が上昇してから播種します
【播種・収穫時期】中間地 播種4月下旬〜5月下旬 収穫8月下旬〜10月下旬
チウラム薬剤処理済種子粉衣1回、生産地 千葉県、購入価格315円
数量 30ml(数えたら19粒入っていた)
※PVPは、種苗法の登録品種(登録出願中)を示しており、自家採種した種子を、営利目的を問わず増殖することを目的に他人に譲渡すること等は禁止されている。
自家採種について

5月20日 種まき。3日前から吸水させていたので、わずかに発根し始めていた。

自家採種した種によるラッカセイ栽培 2010年

種:自家採種 発芽率9割以上
5月20日 常温常湿でポリ袋に入れただけの状態で保管していたサヤ付きのラッカセイの種をサヤから取り出し、夜から浸水させた。

5月22日 播種。不耕起、不施肥
 保管状態の悪そうな自家採種した種なので、発芽率は6割と見込んで、30cm間隔で2粒づつ播いて2粒とも発芽したら間引かずに2本立てにするつもりだったが、既に9割以上の種で幼根が1ミリ弱ふくらんでいたので1粒づつ播いた。

5月29日 まだ出芽していない。ハトに食べられていないか調べるため2ヶ所を掘ったら、ちゃんと地中にあった。
5月30日 ハトに食べられないか不安なので、追加で種まきをした。

らっかせいの発芽6月5日 種を播いた5月下旬の頃には、キジバトが畑によく来ていたので心配だったが、今のところ全く被害はない(→結局、全く被害はなかった)。8割が出芽していた。

ラッカセイ9月9月5日 ラッカセイは、3ヶ所に分けて播いてあり、生長に差がある。写真のようにラッカセイが繁茂してくれれば草刈りが楽なのだ。3ヶ所とも肥料をやっていないので地力の差なのか、それとも種まき時期が1週間遅かったからなのか。
ラッカセイのネズミ食害10月17日
 落花生は、何か動物が莢を掘り出していて、地表にかじられた痕のあるサヤが散乱していた。落花生の株から1,2メートルほど離れた場所にも、写真のようにかじられた莢があちこちにあるので、わざわざ運んで食べているようだ。食害があった畝では、落花生の葉が繁茂していなかったので、地力が足りないとばかり思っていたのだが、そうではなく、モグラのトンネルが縦横に張り巡らされていて、地下はひどい状態だった。食害が全くなかった畝では、落花生の葉は繁り、モグラのトンネルは全くなかった。ネズミは、モグラのトンネルを利用して移動することはよくあるようなので、おそらく今回の食害はネズミによるものであろう。モグラのトンネルがない畝は、作土層が非常に薄く20cmくらいしかなく、その下は小石混じりで固く、回りに溝を掘っているので、モグラの侵入を防げているようだ。
中に虫のフンが入ったラッカセイ10月24日
 ラッカセイを栽培していた畝から3メートルほど離れた場所に、穴が開き、中にはコガネムシのフンらしきものが入ったラッカセイのサヤが3個あった。穴を開けた動物は、ラッカセイの実を食べたのではなく、中にいた虫を食べたのであろう。サヤの穴の形を見ると、つついたようにも見える。ネズミだけではなく、カラスもサヤを掘り出したのかもしれない。

初めての落花生栽培 2009年

種:国華園 落花生 25ml 100円
品種特性:性質強健で栽培容易な優良品種です。豊産性で高品質な品種です。
発芽温度25-30℃
中間地:播種5月上旬〜6月上旬、収穫8月上旬〜9月上旬
2008年11月発芽率75%以上
作り方
 種子は一晩浸水し、30cm間隔で2粒づつ点播きします。本葉が9〜10枚になったら摘芯します。開花が近付いたらリン酸・カリを多く含む肥料を少量施し、中耕・土寄せします。マルチ栽培は花芽が上がる頃にはマルチを外し花の地中への侵入を妨げないようにしてください。
・播種 畝14SL
 5月中旬ころだったと思う。この頃は、まだ自然農ではなく、化成肥料を少し元肥にした。

・管理 雑草が覆うようだったら刈ったぐらいで放置。追肥なし、雑草マルチもしていない。土壌に有機質がなく、裸地状態だったので、子房柄が土中へ入るのか心配なほど土が硬くしまっていた。隣の畑の落花生と比べると、草丈は半分くらいだし、葉が少なくて、成長がかなり劣っていた。

・ラッカセイの草型には、這性、半立、立性の品種があるようだが、購入した種は半立だろうか。

ラッカセイ全体10/24 収穫前の落花生。全部で7株。

ラッカセイを掘ったところ茎を持ち上げて引き抜く時に、土は固く締まっているので、子房柄はいくつも切れてしまった。子房柄が伸び始める頃までに敷き草をたっぷりしておけば、地表面はやわらかっただろうに。収穫した落花生は、すぐに洗って、天日で干した。未熟な豆や小さい豆は、塩ゆで落花生にして食べた。半分以上は、残しておいて来年の種まきに使う。




●この時期の他の野菜
サツマイモ

2013.04.05 Friday | 野菜栽培 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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