週末ファーマーによる自然農の野菜栽培

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自然農の野菜づくり

第1章 生命の営みをつなぐ自然農の要諦(畑の準備をする、野菜を切らさない作付けの工夫 ほか)
第2章 自然農の野菜・つくり方のポイント
第3章 自然農の野菜などの加工・保存の工夫


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 川口由一氏の提唱する"自然農"を理想として、耕起せず、肥料はやらず、雑草は抜かず、害虫をも防除しない(化学農薬も自然農薬も不使用)で、野菜を育てることを目指しています。多種類の豊富な動植物と共存する生物多様性を実現する家庭菜園にするべく、群馬県西部で週末に農作業をしています。ビニールのマルチやトンネルなどの非再生資材は使わず、農業機械も使わずエコロジーです。ただ、地力不足なので、有機質肥料を少し与えることもあります。


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畑のテントウムシ、ハムシ、ゴミムシなど

ウリハムシ(瓜葉虫)


ウリハムシ、キュウリを食害しているところ成虫は、体長1cm弱の橙黄色の甲虫。近づくとすぐに飛んで逃げる。よく飛ぶので「ウリバエ」とも呼ばれる。すぐに逃げるので、虫取り網でも使わないと手では捕獲しきれない。
 成虫はウリ科の葉を円を描くように食べるので、1〜2cmの円形の穴が開いたりする。ウリ科だけでなく、春先にはソラマメなども加害する。幼虫もウリ科の根を食べる。越冬は、成虫のまま浅い土中や枯れ草の下で越冬する。成虫は、春にウリ科の根元に産卵し、幼虫は根を食べ、7月〜8月に羽化する。
 上の写真は、霜しらず地這きゅうりの葉を食害しているウリハムシ 2009/9/5


ウリハムシによってボロボロにされたキュウリの葉左の写真は、播種後3週間のキュウリの葉。ウリハムシによってボロボロにされてしまった 2009/9/6

●テントウムシ
 参考)大阪府のテントウムシの見分け方

ナナホシテントウ
ソラマメヒゲナガアブラムシを捕食するナナホシテントウナナホシテントウは、普通に見られ、7つの黒紋をもつ。成虫、幼虫ともにアブラムシ類を食べる。年に数回発生し、成虫で越冬する。うちの畑では真冬でも天気が良ければ活動している。
 甲虫目テントウムシ科。
 写真は、ソラマメに寄生したソラマメヒゲナガアブラムシを捕食しているところ[2009/11/28]


●ナナホシテントウの幼虫
ナナホシテントウ幼虫ナナホシテントウの幼虫もアブラムシを捕食し、成虫になるまでに約千頭のアブラムシを食べるという。オレンジ色の12個の紋があることが特徴。写真の幼虫は、カイランに寄生したダイコンアブラムシの近くにいた。[2010/4/11]


ナミテントウ
ナミテントウ 四紋型 ナミテントウは、幼虫・成虫ともアブラムシを食べる益虫。集団で越冬する。ナミテントウの模様には、「赤地に黒紋」「黒地に赤紋」など多数あります。参考→ナミテントウの斑紋についてナミテントウコレクション。左の写真はハクサイの花茎にいた四紋型(撮影2010/4/18)。

ナミテントウ変形二紋型ナミテントウ変形二紋型
ナミテントウはアブラムシを食べるのだが、このテントウムシはアブラナの縁を舐めていたか食べていたように見えた。はっきりとは分からなかったのだが、葉の穴の縁が新しかったし、テントウムシは数分間この場所でうろうろしていた。テントウノミハムシのように植物を食べるテントウムシに似た虫もいるので、この時はさほど気にしなかったのだが、もっとよく観察すればよかった。斑紋から判断すれば、ナミテントウの変形二紋型に見えるので、葉の縁からしみ出た水分を舐めていただけなのだろう。[2010/4/10]


コクロヒメテントウ
コクロヒメテントウの幼虫 白い虫は、コクロヒメテントウの幼虫で、スイスチャードの赤い茎の上にいるとよく目立つ。白いのは、自ら分泌したロウ物質で、カイガラムシに偽装してアリの攻撃を防いでいるという。成虫・幼虫ともアブラムシを食べてくれる益虫である。写真撮影:2010/6/12


ヒメカメノコテントウ
ヒメカメノコテントウ 体長約4世両さなテントウムシで、亀の甲羅を思わされる模様を持つ。模様にはいくつか種類があり、下の写真のような背スジ型もいる。素早く活動しているが、人が近づくとすぐに隠れてしまう。成虫・幼虫ともアブラムシを食べる。写真撮影:2010/6/19、サヤエンドウにいた。
ヒメカメノコテントウ背すじ型オクラの葉裏でアブラムシを食べていた[2010/9/5]


ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ)
 ナス、ジャガイモ、トマトなどナス科の植物を幼虫も成虫も食べる。表皮を薄く残して葉の裏側を食害し、食害痕が階段状になる特徴がある。成虫の形態は、上翅に合計28個の黒紋があり、背面が短い毛で覆われている。
 卵は、ニジュウヤホシテントウの食害を受けた株の一番地面に近い葉にある(現代農業2007年7月号より)。ニジュウヤホシテントウは、ナスやトマトよりもイヌホオズキを好むので、イヌホオズキを畑の脇に植えておくとよい(現代農業2001年6月特別号)。甲虫目テントウムシ科。
オオニジュウヤホシテントウ ニジュウヤホシテントウとオオニジュウヤホシテントウはよく似るが、成虫は、前胸背板(頭と翅の間の部分)の中央の斑紋が、ニジュウヤホシテントウは横長なのに対し、オオニジュウヤホシテントウは縦長である。写真は、オオニジュウヤホシテントウ。[撮影:3010/6/19]

オオニジュウヤホシテントウの幼虫幼虫は、「ニジュウヤホシテントウは、体が白く棘も白いのに対し、オオニジュウヤホシテントウの黄色で棘が黒いことで区別できる(Web昆虫図鑑より)」。写真は、オオニジュウヤホシテントウの幼虫で、ジャガイモの葉を食べていた。[撮影:2010/6/12]

オオニジュウヤホシテントウの蛹オオニジュウヤホシテントウの蛹で、ジャガイモの葉裏にあった。[撮影:3010/6/19]


●シロジュウシホシテントウ
シロジュウシホシテントウシロジュウシホシテントウは、クワキジラミの幼虫やアブラムシなどを捕食するという。上翅の白色紋は上から2・6・4・2の4列14個。写真は、アブラナに2頭いたうちの1頭。2010/4/10


●セアカヒラタゴミムシ
セアカヒラタゴミムシ
体長2cmくらいで、黒い翅の中央に赤褐色の紋があり(赤い紋がない場合もある)、脚は黄褐色のゴミムシ。私の畑では、敷き草の下に、多数いる。夜行性で小さい昆虫を捕食する。[写真2009/10/25]
鱗翅目幼虫(アワノメイガ、アワヨトウ、コナガなど)の天敵である。甲虫目オサムシ科

●ヨツボシテントウダマシ
ヨツボシテントウダマシ
 とても小さくて体長4ミリくらいの甲虫。草刈りをすると、手のひらに1匹くらいの割合で地表にヨツボシテントウダマシがいて、すばしっこく移動しすぐに隠れる。ヨツボシテントウダマシは、朽ちた木や草にいる菌類を食べるという。(写真2009/10/17)甲虫目テントウダマシ科

●ナトビハムシ
ナトビハムシ あるいはダイコンナガスネトビハムシだと思うが区別がつかない。体長2-3澄アブラナ科を食べる黒くて小さくて跳ねるハムシには、ナトビハムシとダイコンナガスネトビハムシがいるが、後脚の腿節以外が褐色なのがナトビハムシだという。触ると、発達した後脚で勢い良く跳ねて逃げる。写真は、ハクサイのサヤを食べていたところ。サヤの中の種までも食べられていた。[2010/6/5]


エンドウマメゾウムシ(エンドウゾウムシ)
エンドウマメゾウムシ

 体長約4ミリで貯蔵中のエンドウ豆から発生してくる。エンドウマメゾウムシは、未熟なエンドウのさやの表面に卵を産み、卵は約10日で孵化し、約1ヶ月の幼虫期間を経て蛹となり、蛹は約7日間で羽化する。乾燥したエンドウ豆には産卵しない。成虫で越冬する。群馬県南部の私の畑では7月下旬に羽化した。
 上の写真は、羽化して、豆から脱出したばかりのところ。エンドウマメゾウムシの写真下にある豆には、まだ豆の中に入っていて、黒い体の一部が見えている。その左の豆は、皮が丸く切り取られていて、もうすぐエンドウマメゾウムシが出てきそうだ。幼虫の時に、脱出用の穴を皮を残して準備しておき、羽化した成虫は皮を丸く食い破って外に出てくる。[写真2010/7/27]
 2010年の例では、サヤエンドウで2割、スナックエンドウで1割ほどがエンドウマメゾウムシに寄生されていた。自家採種した種を室内に放置していたので、エンドウマメゾウムシの羽化した成虫が、室内のあちこちに分散してしまい、捕獲したのだが、取り逃がしたものもいた。その取り逃がしたエンドウマメゾウムシは、室内の高い位置の壁などの隙間に潜り込んでいるのを、冬の間に幾頭か見つけた。さらに、翌年の春に、幾頭か室内で動き回っているエンドウマメゾウムシを見つけた。教訓:保管する時は、必ず、袋に入れておき、エンドウマメゾウムシを逃がさないようにしましょう。

エンドウマメゾウムシの蛹 皮の一部が丸く薄くなっている豆の皮をはいでみたら、体の色が白い蛹が出てきた。蛹の大きさと穴の大きさがほぼ同じであり、食べた量がそのまま虫の体になっているようだ。豆は栄養があるのだろう。。。


アズキゾウムシ


アズキゾウムシ 幼虫はアズキ、ササゲ等の豆の中で、豆を食べて約1ヶ月間で成虫になる。成虫は、体長2-3mm。羽化した成虫は、約10日間のうちに、貯蔵中の豆の表面に卵を産む。アズキゾウムシとよく似た同属近縁種にヨツモンマメゾウムシがおり、アズキゾウムシと同じようにアズキを加害し、体の大きさも似ており、小さいので肉眼での区別は難しい。

 卵は、白色・扁平、大きさ0.3mmで、アズキの表面に薄く貼り付いたように産み付けられている。幼虫が孵化した後でも、卵の殻は堅いため、そのままアズキの表面に残ったままである。孵化した幼虫は、卵の直下の豆の表面に小さな穴を開けて、豆に侵入する。

11月上旬の天日乾燥による殺虫効果はない
 殺虫効果を期待して天日乾燥をすることが慣行的に行われているが、11月上旬の日射量が少ない時期には、殺虫効果はない(篠田ら,1985)。高温致死温度は、48.9-62.8℃(Oosthuizen,1940)、55℃で4時間(Yoshida and Gichuki,1983)である。

豆の保管
 長期間、保存する豆は、ゾウムシに寄生されている恐れがあるので、必ず密閉したビンなどの容器に保管しておき、定期的に虫が発生していないか確認すると良い。放置すると、産卵と発生を繰り返して、大発生することもある。

ヨツモンマメゾウムシ(Callosobruchus maculatus)とアズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)
 アズキゾウムシの雄の触覚は、クシ状になっている。ヨツモンマメゾウムシの雄の触覚は、ノコギリ状になっている。食品総合研究所のHPに写真があるので、参考になる。→食品総合研究所 ヨツモンマメゾウムシ →食品総合研究所 アズキゾウムシ
 アズキゾウムシとヨツモンマメゾウムシでは、体の厚みに違いがある。ヨツモンマメゾウムシのほうが、細長で扁平であり、側面から見た時に明瞭に分かる(渡辺,1984)。参考1の文献の図1に両種の側面の写真がある。
 アズキゾウムシは、アズキが日本に伝わってきた3〜8世紀に侵入したと考えられている(安富・梅谷,1995)。ヨツモンマメゾウムシは、1981年には関東以南の各地で侵入定着が確認された(永易・松下,1981)。

参考)
1) 渡辺直,アズキゾウムシとヨツモンマメゾウムシの生態に関する比較研究,1984
2) 北海道アズキ物語 アズキをめぐる外敵
3) 篠田 一孝ら、アズキ畑におけるアズキゾウムシの生態,1985

●アルファルファタコゾウムシ
アルファルファタコゾウムシ拡大アルファルファタコゾウムシ複数
 幼虫は4月にレンゲ、シロクローバ、カラスノエンドウなどを食害する。幼虫の色は、乳黄色から成長すると濃緑色になり、老熟幼虫になると体長は約10mmになり背面中央に明瞭な白い条線がある。ヨーロッパトビチビアメバチという天敵を海外から導入して駆除している例が各地にある。写真は、カラスノエンドウで多発していたアルファルファタコゾウムシの幼虫[2010/4/17]

●ヤサイゾウムシ
 秋に産卵し、真冬でも各種野菜を幼虫が食害しながら成長する。幼虫は体長1〜1.5センチで、体色は乳白色が多いが緑色もいる。成虫は、後翅が退化しているため飛べず、歩いて移動する。
「秋まき栽培のニンジン,ハクサイなどで幼植物の茎葉基部の食害が特に大きく、日本では26科97種を加害する。成虫は,夏は摂食産卵活動を休止し,畦畔雑草などに潜んで経過する(農林水産研究文献解題より)。
 慣行農法による防除は、「越夏後成虫の圃場への侵入が完了する時期(9月末)が防除適期である(福岡県病虫害防除より)」

2012.06.28 Thursday | 畑の害虫、虫、動物 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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