週末ファーマーによる自然農の野菜栽培

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自然農の野菜づくり

第1章 生命の営みをつなぐ自然農の要諦(畑の準備をする、野菜を切らさない作付けの工夫 ほか)
第2章 自然農の野菜・つくり方のポイント
第3章 自然農の野菜などの加工・保存の工夫


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 川口由一氏の提唱する"自然農"を理想として、耕起せず、肥料はやらず、雑草は抜かず、害虫をも防除しない(化学農薬も自然農薬も不使用)で、野菜を育てることを目指しています。多種類の豊富な動植物と共存する生物多様性を実現する家庭菜園にするべく、群馬県西部で週末に農作業をしています。ビニールのマルチやトンネルなどの非再生資材は使わず、農業機械も使わずエコロジーです。ただ、地力不足なので、有機質肥料を少し与えることもあります。


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野菜の栄養価は、昔より低下したのか
 「50年前の日本食品標準成分表と比べて、現在の野菜の栄養価が下がっている」と、一部の自然農法関連の書籍(*参考資料)等で指摘されているが、数値を比較しただけで、"だから現代の野菜は問題がある"という主張は、ほとんど無意味である。

 たとえば、「河名秀郎著 自然の野菜は腐らない」では、「50年前の野菜と比べて栄養価がどんどん下がっており、例えば、ホウレンソウのビタミンC含有量は、日本食品標準成分表によれば50年間で約5分の1に減っている(p.11)」として表に数字を記載して説明し、"この数十年で大きく変化してしまい、もはや本来の「食」の記憶すら失われようとしている"と問題を提起したあとに、"私は本来の野菜に出会いました、自然栽培の野菜でした"と誘導して、あたかも化学肥料の使用が原因であるかのように暗示している。

野菜の栄養価の数字が変化している理由
 "分析法の変更"、"野菜の栽培時期"、"野菜の品種変化"の3要因が主な原因と考えられる。

分析方法の変更
 これまで食品成分表では、3つの分析方法が使用されてきた。ホウレンソウ、コマツナ、ニンジンのビタミンC含量は、分析方法の変更による変動と、食品成分表における収載値の変動がよく一致しており、分析方法の違いが影響したことが示唆されている(*1)。

栽培時期
 50年前は、野菜はほとんどが"旬"の時期に出荷されているが、現在ではほとんどの野菜が通年で出回るようになったという事情が考慮されていないので、単純に比較してしまえば栄養価が下がったことになるが、旬の野菜で比較すれば昔とさほど変わらないのである。五訂日本食品標準成分表では"年間を通じて普通に摂取する場合の全国的な平均値を表わす"となっており、栄養価の低い旬でない野菜も含めた平均となっているのである。旬の野菜と栄養価の低い時期の野菜では、栄養価は数倍違うこともあり、たとえば、ホウレンソウのビタミンCでは最大月の2月は73mgであるが、最小月の7月は9mgで、約8倍も違う(*3)。ホウレンソウなどの冬を越す野菜では、寒くなると各種成分の濃度が高くなり凍りにくくなる性質があり、ビタミンCや糖が増える。

品種の変化
 ホウレンソウでは、栄養価の高い東洋種から、西洋種や交配種へと品種が変わったこともある。

 結局、あれこれ悩むよりも、旬の野菜を新鮮なうちに食べればいいのである。

*参考資料)
1.日本食品標準成分表の改訂に伴う野菜中のビタミンC収載値の変動に対する分析法の影響、小島彩子ら (2010)
2.出回り期が長い食用植物のビタミンおよびミネラル含有量の通年成分変化[1]
3.出回り期が長い食用植物のビタミンおよびミネラル含有量の通年成分変化[2]
4.野菜の旬と栄養価〜旬を知り、豊かな食卓を〜 女子栄養大学教授 辻村卓
5.文部科学省、五訂増補日本食品標準成分表(本表)野菜類

野菜の栄養価の低下の要因を肥料の使い方などと指摘している本
ほんとの野菜は緑が薄い、河名秀郎 (2010)
自然の野菜は腐らない、河名秀郎 (2009)
野菜が壊れる、新留勝行 (2008)
有機農業・みんなの疑問、舘野 廣幸 (2007)
2010.12.12 Sunday | - | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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