週末ファーマーによる自然農の野菜栽培

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自然農の野菜づくり

第1章 生命の営みをつなぐ自然農の要諦(畑の準備をする、野菜を切らさない作付けの工夫 ほか)
第2章 自然農の野菜・つくり方のポイント
第3章 自然農の野菜などの加工・保存の工夫


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 川口由一氏の提唱する"自然農"を理想として、耕起せず、肥料はやらず、雑草は抜かず、害虫をも防除しない(化学農薬も自然農薬も不使用)で、野菜を育てることを目指しています。多種類の豊富な動植物と共存する生物多様性を実現する家庭菜園にするべく、群馬県西部で週末に農作業をしています。ビニールのマルチやトンネルなどの非再生資材は使わず、農業機械も使わずエコロジーです。ただ、地力不足なので、有機質肥料を少し与えることもあります。


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オオカマキリの飼育と畑での観察
 カマキリは、体長9cmにもなる大型の肉食昆虫である。大きなバッタ類を捕えてくれるのは、クモ(うちの畑ではナガコガネグモの巣にオンブバッタがかかっているのをよく見る)がいるけれど、カマキリにも活躍してもらって、カメムシなども捕食してもらいたい。そこで、畑にカマキリが増えてくれるような方法を考える。そのため、庭でカマキリを半飼育して生態を観察したり、いろいろ調べたりした。
カマキリの卵のうを食べる生き物
オオカマキリの食べられた卵のう カマキリタマゴカツオブシムシなどが卵のうに寄生する他にも、いろいろと食べる生き物がいるようだ。ヤマガラやシジュウカラなどの鳥が卵のうを食べるのは、それほど珍しいことではなく、目立つところに産み付けられた卵のうの多くは食べられてしまうらしく、うちの畑でもトウモロコシの茎に掛けておいた卵のうは11月に食べられてしまった。
鳥類によるオオカマキリの卵嚢に対する捕食、赤塚 隆幸
・シジュウカラ シジュウカラがカマキリの卵のうを食べている写真。埼玉県1月長野県2月 シジュウカラが食べている動画
・モズは、はやにえにするらしい。 はやにえにされた卵のうからカマキリが孵化したという、土岐川観察館。中日新聞2008/5/23

オオカマキリとチョウセンカマキリの区別
オオカマキリの足の付け根チョウセンカマキリの前肢の付け根
 オオカマキリ(写真左)は、前脚の付け根の間が薄い黄色で、チョウセンカマキリ(写真右)は、濃いオレンジ色をしている。[写真左2009/10/17、右2010/9/13]
オオカマキリの威嚇ポーズ オオカマキリは、後翅が紫褐色。写真は、近寄ってきたチョウセンカマキリのオスに威嚇姿勢をとるオオカマキリのメス[2010/9/15]
 前胸部はオオカマキリのほうがチョウセンカマキリよりやや長い。チョウセンカマキリは、広い草原のような開放的な環境を好み、オオカマキリは、林縁の茂みや樹木の葉上などを好む。
オオカマキリがカメムシを食べている オオカマキリは、カメムシだって平気で食べる。(写真は、アオクサカメムシを食べていたところを写真に撮ろうとしたら、こっちを向いたオオカマキリ2009/10/17)
カマキリの卵への寄生虫
 カマキリタマゴカツオブシムシの幼虫は、カマキリの卵のうに寄生する。秋に産卵されたカマキリタマゴカツオブシムシは、まず卵を食べる。春に産卵されたカマキリタマゴカツオブシムシは、周りの殻を食べる。殻だけでもカマキリタマゴカツオブシムシが増えてしまうので、カマキリがふ化したら、周りの殻は処分するようにする。オナガアシブトコバチの写真オナガアシブトコバチは、体長4ミリほどの小さな寄生蜂で、太い後脚があり、メスは非常に長い産卵管を持つ。太い後脚で1、2cmくらいの距離を飛び跳ねていた。カマキリの卵のうに寄生する。
オナガアシブトコバチ 「オナガアシブトコバチのオオカマキリ卵嚢への寄生率は0〜25%。オナガアシブトコバチの羽化は4月上旬〜5月上旬に起こり、1卵嚢あたりの羽化数は1から55で, 平均は11.5個体であった。コバチはカマキリの卵を食べつくすことはなかったという(岩崎 拓,オナガアシブトコバチのオオカマキリとチョウセンカマキリ越冬卵嚢への寄生)」。ヒメオナガアシブトコバチはチョウセンカマキリに寄生する。
●カマキリ幼虫・成虫への寄生
 カマキリヤドリバエ(Exorista bisetosa)がいる
オオカマキリの腹部に産み付けられたカマキリヤドリバエの白い卵の写真:ヤドリバエの幼虫が脱出してもカマキリは死ぬとは限らないようだ。
カマキリへの寄生図

カマキリのふ化
 オオカマキリのふ化は、京都では4月下旬から始まり、完全に孵化を終了するのは関西地方では5月末である。チョウセンカマキリの孵化は非常に斉一的で6月上旬である(*6)。オオカマキリの卵のうには、100-300、約200の卵が入っている。
 1令幼虫の餌は、アブラムシやショウジョウバエなど小さな虫であるので、孵化する頃に、餌のある近くに卵のうを置いておくと良いだろう。オオカマキリ幼虫の体長(カマキリ観察事典より)
 1令幼虫10mm、12mmに成長すると脱皮して2令幼虫16mm
 2令幼虫15-17mm
 3令幼虫22-23mm
 4令幼虫30-33mm
 5令幼虫40-42mm
 6令幼虫51-55mm
 7令幼虫60-68mm(終令)→8令(成虫)70-90mm
オオカマキリ1令幼虫ふ化してから数日たったらしい体長10ミリの1令幼虫[写真2010年3月31日]
共食い
 「オオカマキリの卵包は一様に分布しているのではなく、一部の狭い場所に集中して分布している。餌不足を補うために卵包を集中させて共食いを促し、結果的に適応度を高めている(安藤喜一,オオカマキリの卵包はなぜ集中して分布するのか)」
交尾
 オオカマキリの交尾は1回だけでなく、多数回交尾を行うこともあり、一つの卵鞘内で複数の父親の精子が使われていることもある(参考:オオカマキリの卵鞘内の血縁度 - biocontrolの日記)。交尾時間は数時間程度のことが多いようである。オスは、精子の入った精包をメスの交尾器に送る。
オオカマキリのオスの交尾時の腹 オスは腹を屈曲させて交尾する。[撮影2010/10/6]
しがみつくオオカマキリのオスメスにしがみつくオオカマキリのオス[2010/10/6]
目の前にいるメスに向けてフェロモン放出か この写真の状況:オスの20cmほど上にいるメスは頭を下にしているので、オスは飛びつくことができない。しばらくしてから、オスは腹を曲げて左右にゆする行動を数分間続けていた。このオスの行動はメスにも見える位置だったので、メスに対するディスプレイなのかフェロモンを放出したのか。
オオカマキリの精包 写真で白く写っているのが精包である。オオカマキリの交尾直後に撮影[2010/9/9]
交尾6時間後の雌性交尾器 交尾終了6時間後のオオカマキリの雌性生殖器。開いたままになっているが、あと数時間で通常の外見に戻る。[写真2010/9/2]
オオカマキリの産卵後の交尾器 産卵から約15時間後のオオカマキリの交尾器。精子嚢らしき白い粘液状のものが見える。
オオカマキリとチョウセンカマキリの交尾 オオカマキリとチョウセンカマキリは体格が似ているので、チョウセンカマキリのオスはオオカマキリのメスに交尾しようとすることがある。写真は、オオカマキリのメスにチョウセンカマキリのオスがマウントしているところ。メスは庭にずっといるカマ女王で、オスはこの日に庭にやってきた個体。まず、メスの近くにオスを置いたところ、オスはメスを凝視したままで、動く様子がなかった。それから、数時間経ってすっかり暗くなった頃に、マウントしているのを見つけたのだった。1時間半ほどこの態勢であったが、オスが腹を曲げて交尾する様子は全く見られなかった(マウントした直後は見ていないので分からない)。オオカマキリとチョウセンカマキリでは生殖器の形が異なるので、交尾ができないのかもしれない。[2010/9/15]
オオカマキリの産卵
オオカマキリ産卵中 産卵には数時間かかる。産卵直後の卵のうの色は、ほぼ白く、時間が経つにつれて酵素の働きで褐色に変化する。オオカマキリは数回産卵する。一度の交尾で何度も産卵でき、飼育下で栄養状態が良いと2週間間隔で産卵できるようだが、私の飼育例では最短19日であった。オオカマキリは、気温が低くなると動きが鈍くなり、霜が降りる頃までには死んでしまうらしい。また、死ぬ前の産卵は、その時の栄養状態によって、通常の半分くらいの小さな卵のうになることもある。カマキリの種類によって、卵のうの形が異なり、オオカマキリは、丸っぽくて、下が平らになっている。  写真は、庭で半飼育状態のオオカマキリがツバキの木で産卵しているところ。雨や曇りでは産卵しないらしく、久しぶりに薄日が差した日になってから産卵した[2010/10/1]。
オオカマキリ静子6回目の産卵 上の写真と同じメスが、なんと6回目の産卵、2011年1月23日。

オオカマキリの卵のう産卵する場所
 この卵のうを見つける前には、畑でカマキリを1度しか見なかったけれども、それから2,3週間後にカマキリの卵が草に産み付けられているのを見つけた。卵のうの地面からの高さは、「カマキリは約2.1m、オオカマキは約2.0m(*6)」とのことであるが、写真の卵のうの場合は、わずか30cmほどであり、かなり低い。数メートルほど離れたところにはトウモロコシの枯れた茎が何本もあるのに、背の低い草に産みつけるのは、鳥に見つからないようにするためだろうか。[写真2009/10/12]
オオカマキリの産卵開始直後 腹端から分泌された粘液を木の枝になすりつけて産卵行動を始めたところ。5回目の産卵となるメスなので、老化したらしく腹には変色が多い。[写真2011/1/1]
オオカマキリ産卵途中 産卵開始から10分ほどの状態。泡の中の中央に黄色い卵が並んでいる。
オオカマキリの卵のう多数 この写真の全ての卵のうは、オオカマキリのもの。写真の一番下の1個は、庭にいた片カマのもので、エサ不足と思われ、非常に小さく、直径1.8cm高さ1.2cm。その上の4個は庭で半飼育していた静子のもので、左から産んだ順に並んでおり、一番右側は前日に産んだもので、まだ白っぽい色をしている。エサは豊富に与えていたのに、小さめなのは体長が8.2cmと小柄なためであろう。上の6個は畑にあったもので、卵のうの大きさは普通かちょっと大きめで、最も大きいものは直径3儿發毅cmくらい。

オスとメスの区別
オオカマキリのオスの生殖器 オオカマキリのオスの腹部。腹部の先端は、丸みがあって、平べったい。
オオカマキリのメスの腹部 オオカマキリのメスの腹部。腹部の先端は尖っている。
腹を屈曲させるオオカマキリのオス 腹部を屈曲させ頭を下にした姿勢で、1週間前にもキバナコスモスの上部にいたオオカマキリの雄。エサとなる昆虫が少なそうな、しかも高い位置で、特殊な姿勢をとることは、生殖的な意味があるように思う[写真2010/9/1]

オオカマキリの寿命
 畑や庭のオオカマキリを観察したら、11月中旬に初霜が降りる頃に寿命を迎えるオオカマキリが多いように思う。弱い霜なら、致命的にはならないようで、生き残って活動している個体もいるが、当地群馬では初霜から1週間ほどでいなくなるようだ。野外では気温が原因で死ぬようであるが、室内飼育では老化が原因で徐々に衰える。観察できる老化現象は、眼の黒化、肢の爪やフ節の欠損、アゴの噛む力の低下が見られた。ブログ等による飼育の様子では、12月末頃までの個体が多く、年を開けて2月頃まで生存する個体もいるようだ。千葉県館山市では降雪や結氷しても野外で1月21日に観察された例もあった。
オオカマキリ虫の息 初霜にあたって弱っていたオオカマキリ。手で持つとわずかに足が動いた。地這いキュウリのところに3週間ほどカマキリはとどまっていて、お腹も大きかったので産卵してくれることを願っていたのだが、冬将軍には勝てない[2009/11/7]
片方のカマがないオオカマキリ 庭に片方のカマがないオオカマキリのメスがいた。腕の残っている部分は、黒く変色し、空洞になっており、カマを失ってから日数が経っているようだが、それ以外は元気でエサも器用に片方だけのカマで食べた。腕の付け根の体幹部にはヒビがあり黒くなっているが、影響は広がっていないようだ。[2010/11/18]
フ節のないオオカマキリ 老化して前肢と両中肢のフ節が機能せずに、円滑に歩けなくなったが、食欲は旺盛なオオカマキリ。左カマがないので左眼の掃除をしようとしても、頭をくるくる回すだけだったのだが、このカマキリは新しいワザを開発した。それは、口の下の足場をなめてから、眼を足場にこすりつけるのだ。でも、眼が黒化しているから、視力は回復しないだろうが。それにしても、脳による学習の成果というか知恵なのだろうか、驚いた。[2010/12/7]と思ったがのだが、その後に同様な行動が観察されず、全くの偶然だったことが分かった。
ブログ等での飼育例
オオカマキリ二世 - ぁぃの飼育ブログ:6/17孵化→11/26寿命、エサはショウジョウバエ、イエコオロギ

飼育時のエサ
 コオロギ、ミルワーム、釣りのサシ、ローチ等の生き餌が手に入らない場合には、ハム、魚肉ソーセージ、トリのササミ、魚の刺身などを与えている人がいるようだ。他には、冷凍しておいたバッタ、
・牛乳で1ヶ月間生き延びた例:昆虫観察・・・・カマキリを牛乳飼育!?の巻き
 水は、毎日か2日ごとに与える。気温は、昼間は20℃位より高くなると、腹部の脈動が見られ、排泄も行うようである。
冬のエサ
冬は、朽木の中、石や落ち葉の下、地中にいる虫類を捕らえるのだが、大変である。ジグモは見つけやすいが小さいのが多い、ミノムシも小さい。アマガエル(オオカマキリは食べるが、カエルが悲鳴をあげるのでかわいそう)。コガネムシ類の幼虫はエサとして非常に良いが、地中30cm程度にいるので土を掘るのが大変である。アブラナ科の野菜にいるアオムシは、夏にはカマキリはほとんど食べなかったが、冬になるとなぜか食べる。草の生えている場所の浅い土の中には2.5cm位の小さなムカデがよくいる。全てのムカデは顎肢に毒腺を持つらしいので、頭部はカマキリには与えない。ミミズは食べにくそうだが、簡単に見つけることができる。 カマキリの体の構造  口器

カマキリ増殖計画

 2009年は自然農に転換したばかりなので、畑にはバッタ類が非常に多かったが、カマキリは10月になってようやく2匹現れただけだった。卵のうは4個あったが、3個は鳥に食べられ、1個はコバチに寄生されており全滅という状況だ。そこで、来年は、適切な生態バランスに近づいてもらうために、卵のうを採取してくるつもりだ。卵のうがいくつ必要か、適当ではあるが、計算してみる。推測その1 カマキリ成虫の生息密度は、分からないから4平米に1匹とする。孵化した幼虫が成虫になる割合も分からないから2%とする。卵のうへの寄生割合も分からないけど、1割にする。卵のうの越冬率も分からないけど、9割にする。卵のうには平均200個の卵が入っている。畑の広さは600平米。600m2÷4m2/1匹÷2%÷(1-0.1)÷0.9÷200 ≒ 卵のう46個推測その2 京都市伏見区のセイタカアワダチソウ群落地において、4m2×45区画で125個の卵のうを記録した(*6)とのことであるから、1平米あたり約0.7個の卵のうがあった計算になる。私の畑では、雑草は2割程度の面積を占めているから、この雑草地のみにカマキリがいるとして計算すれば、卵のうの数は、畑全体600m3×0.2×0.7=84となった。46個にせよ84個にせよ多すぎてとても集められそうにない。徐々に増やすしかなさそうだ。 卵の採集
・田んぼの中の耕作放棄地を何箇所か探したが一つもカマキリの卵はなかった。・雑木林の周辺を数回探したが一つもなかった。・川の近くの荒地のササに一つあった。
●2010年の卵のう 2009年の秋に見つけた卵のうは2個であったが、冬には鳥に食べられたらしい卵のうを2個見つけた。秋に見つけたうちの1個はトウモロコシの茎に掛けておいたが鳥に食べられてしまった。もう1個は持ち帰って自宅の庭に置いて保管したのだが、3月末にオナガアシブトコバチがふ化しており寄生されていたのだが、20頭くらいは庭で孵化した。また、家の近所で探しまわって何とか1個の卵のうを見つけて畑に置いておいたのだが、置いた場所を忘れてしまって、卵のうが鳥に食べられていないとしても、枯れ草などに覆われて地表にあるのであろうから、無事に孵化は難しいのではないかと思う。6月5日に3頭の1齢幼虫を見つけたのだが、これが持ってきた卵のうより生まれたかどうかは何とも言えない。6月6日 庭にいた3cm位の幼虫を1頭とらえて、畑に持っていった。アブラムシがたくさんおり、寄生蜂とかもたくさん来ている抽苔したスイスチャードにカマキリを放して、数分見ていたら、アリにちょっかいを出されていたが、大丈夫だろうと判断してその場を離れた。10分後に見たら、どこを探してもいない。せっかく、連れてきたのに、居る場所が分からなければ、畑にいても見つけるのは、まだ小さいから困難だろう。

庭のカマキリ

2010年 庭のカマキリ観察
(産卵開始とは、粘液が出始めた時としている)
オオカマキリ1令幼虫ふ化してから数日たったらしい体長10ミリの1令幼虫を2010年3月31日に見つけた。前日にオオカマカマキリの卵のうにオナガアシブトコバチが2頭とまっていたので、寄生されたと思い卵のうをポリ袋に入れておいたら翌日に2頭のオナガアシブトコバチが出てきたので、卵のうにオナガアシブトコバチが寄生していたことは間違いないのだが、オナガアシブトコバチに食べられる前に、ふ化できたオオカマキリの幼虫たちなのだろう。幼虫は、7頭がいたが、他にルッコラの葉や茎にとまったまま動かなくなって死んでいたのが5頭いた。2日前には雪がちらつく寒さをくぐり抜けてきたようだが、ルッコラにいるモモアカアブラムシには有翅成虫もおらず、無翅成虫の動きも鈍いので、餌が不足が心配だ。針の先に有翅アブラムシをつけてカマキリの幼虫の前で動かしたら、カマキリは逃げ出してしまった。針は小さなカマキリにとっては大きすぎたのかもしれない。
・4月13日 ルッコラに4頭、近くの雑草などにも7頭いた。寒さに負けずに生き残っていた。
・4月17日 41年ぶりの遅い積雪で、庭の雑草にいつもいる4頭のカマキリ幼虫たちが心配だったが、3頭は元気だった。幼虫のうちは寒さに強いのだろう。雪が被らないルッコラにいるカマキリたちも大丈夫だろう。・5月8日 幼虫たちは庭のあちこちに分散してしまって、数頭いるとは思われるが、定住していて観察できるのは2頭だけで、うち1頭は昨晩脱皮して3令幼虫になり、もう1頭は2令幼虫である。
・5月27日 7頭いた。体長24-28mm程度が多いが、小さい20mmや、大きい30mm超まで体の大きさにばらつきがある。雨が続いたせいか今日は、葉にべったりと体をつけて日光浴をしていた。
・8月31日 メスの成虫が、アサガオに2頭定住している。1頭は、体長9cm位もある大きな体で、食欲旺盛で高い所が好きなので、"カマ女王"と呼んでいる。もう1頭は、地表から20-30cmの低いところに隠れるようにおり、体長はカマ女王より小さくて8cmほどで、大きな獲物や私の手を近づけると逃げるので、"静子"と呼んでいる。カマ女王に10cm位もあるショウリョウバッタを与えたら、3,4時間かけて食べ、カマ女王の腹ははちきれんばかりに膨れている。静子が深夜0時にコオロギを捕らえて、食べていたことがあったが、低い場所にいるメリットもあるらしい。
・9月上旬 交尾(詳細は後述)
・9月27日 雨が続いていたが、晴れた。朝から落ち着きのなかった静子は、10:30頃にアサガオの定位置を出発したようで、見つけた時は庭木のツゲにいた。ツゲの木は高さ50cmくらいの低木で、木の内側を静子は、逆立ちしながら腹部で幹をさわったりしながら、あるき回っていた。2時間ほどたったら、腹から泡を出して幹に産卵を開始したようだった。10分後くらいに見たら、なぜか産卵を中止して、じっとしていた。
・10月1日 久しぶりに日が差してきた11:30頃、カマ女王はアサガオの定位置から少し下に移動をしていた。たぶん、産卵のために移動をするだろうと思っていたら、10分後くらいにはもう見当たらなくなっていた。あわてて、庭木などを探しまわっていたら、地表を歩いていたところを足で踏みつぶしてしまっていた。かわいそうなことをしてしまった。。。5ヶ月間も生長を見守っていて、産卵間際だったというのに。
 3日前に産卵を中止していた静子は、中止した場所のツゲの木にずっといたが、カマ女王が動き始めた1時間くらい後になって、ツゲの木から移動していたようだ。移動先が分からずに、再度、見つけた15:10には、ツゲの隣のツバキの地上から1.5mの高さの所で産卵を始めていた。ツバキの木もよく探したのだが、緑色のカマキリは見つけにくいが、白い卵のうが目立つので気が付いたのだ。16:40頃に産卵が終了したようで、夕暮れになっていた。産卵後に移動していなくなってしまうのを警戒していたのだが、産卵を終えた直後の姿勢のまま夜を越しそうだ。
・10月20日 前回の産卵から19日後、静子は定位置のアサガオで、地上から90cmの高さのところに2回目の産卵を12:00頃に開始し、7時間半後の19:30頃に終わった。産卵前は、前回と同様に2,3日ほどほとんどエサを食べなかった。昨日から曇りで、今日も朝から曇りで、晴れていなくてもカマキリは産卵した。
・11月18日 片方のカマがないオオカマキリ庭にカマが片方ないオオカマキリのメスがいた。カマを失ってから日数が経っているような傷跡で、大切なカマを失っていても、たくましく生きていた。
・11月19日 静子の産卵3回目。前回の産卵から30日後。11月上旬から夜は飼育箱に入れ、昼間はアサガオで活動させている。エサは6日前に食べただけで、3日ほど前から落ち着きなくアサガオで歩き回っていた。産卵は地上から85cmの高さの所に、11:14に開始し、14:50頃終了、卵のうは2回目より小さかった。
・11月20日 エサの確保が大変になってきた。庭にはもう虫がいない。畑ではコオロギ類は見つけることができなく、オンブバッタも数が少なくなったが、来週はもう虫がいなさそうなので、取れるだけオンブバッタを集めた。
・11月25日 オンブバッタのメスの卵を大変に嫌うので、腹に食いついて卵が出てきたらすぐに食べるのを止めてしまったり、オンブバッタの体が茶色となっているものは体が固いらしく捕らえた瞬間に放したり、かじろうとした時に放したりする。そのため、オンブバッタのメスはたくさんいてもあまりエサにはならない。オンブバッタのオスならほとんど食べる。オンブバッタよりもヤサイゾウムシの幼虫を好み、目の前に持っていっただけで食いつく。
・11月27日 畑にはオンブバッタやツユムシなどが何頭かいた。
・11月29日 片カマのメスは、残っていた基節を口が届く範囲を自ら食べた。また、左中肢の爪と跗節の肉盤3つがなくなっていた。また、バッタを食べるあごの力が弱くなっている。
・12月2日 片カマのメスが産卵。前日から部屋の天井をひんぱんに見ていたので、なぜだろうかと疑問に思っていた。今日は、朝から動き回っていたものの、お腹はパンパンに膨れてはいなかったし、1時間前にバッタを食べていたから、産卵の前兆だとは気付かなかった。産卵はわずか1.5時間で終わり、卵のうは非常に小さく幅1.5cm、高さ1cm位しかない。自分の体が弱っているから早めに産卵したのであろう。12:00産卵開始、13:30頃終了。
・12月4日 畑にバッタがいるとは期待していなかったが、オンブバッタなどが5頭いた。
・12月11日 先週にオンブバッタは獲り尽くしたと思っていたが、オスが一頭まだ生存していた。バッタがいなくなったので、地中の虫を探すべく土を掘ったのだが、30分かけて6平米の面積でやっと4頭のコガネムシ類幼虫が捕獲できただけで、期待外れの成果。9月には多量にコガネムシ類幼虫がいたので、このまま越冬するのかと思っていたが、どこに行ったのだろう。モグラの穴がたくさんある畝には一頭もおらず、やはりモグラの捕食はすごいことを再確認。20cmほどの深さまで掘ったが、もっと深いところに移動はしていないと思うのだが。。。帰宅してから調べたら、越冬は場所によっては深さ1メートルにも達するという。
・12月11日 前回の産卵から22日後、静子が産卵4回目、10時頃開始。屋外は寒すぎるので、ゲージ内での産卵。
斜めの態勢で産卵・12月24日 片カマのメスが2回目の産卵、11:30頃開始、13:30頃終了。爪が残っているのは右後肢1本だけなので、逆立ちすることが困難で、ほとんどの体重を後肢1本で支え、斜めにぶら下がってなんとか産卵していた。
・2011年1月1日 前回の産卵から21日後、静子が産卵5回目。11時頃にカゴに産み付けようとしていたので、枯れ木に移動させたら、産む場所が気にくわないらしく、1時間半後の12:30になって産卵を開始し、18:00に終了した。5回目であったが、卵のうの大きさは前回と同様で特に小さくもなく、形も悪くなかった。
・1月12日 片カマのメスが3回目の産卵、前回の産卵から22日後。10時半頃から産卵しようとして足場を探して動き回っていたのだが、全ての肢のフ節が機能していないので、まともに木の枝につかまることができず、何度も何度も枝から落ちてははいあがることを2時間も繰り返して、ようやく12:40に産卵を開始した。斜めに寝かせた木の棒を肢で抱えこみ、しかも横に傾いた姿勢なので、卵のうの形は縦長の扁平になっていた。大きさは、前回の産卵より小さく、卵のうの表面を指で触ると粉のように少し崩れて、質がもろいようだ。産卵はちょうど2時間で終了した。
・2011年1月23日 前回の産卵から22日後、静子が産卵6回目。2日前には産卵姿勢になり腹端で適当な場所か探る行動をして2時間半も探し続けたが結局、産卵せず。翌日は、飼育箱に入れたまま私は外出したため、室温が高くなりすぎたかもしれず、産卵していなかった。本日には、朝9時から早くも産卵場所を探して歩きまわるが、産卵姿勢になるもののレモングラスの茎は滑りやすいらしく、肢の位置を決められずもがくようにしていた。そのため、ナンテンの枝を新しく与えたら、ナンテンの枝で産卵を10:05に開始した。産卵途中で卵のうの中の様子を見ると、卵はきちんと並んで産み付けられていたが、交尾してから6回目なのできちんと受精されているか心配だ。体の状態は、前肢2本の爪が欠損、後肢1本のフ節が機能不全だが歩行には目立って不自由はしていない、両眼とも黒化はしていない。産卵終了11:40、卵のうは直径1.5cm高さ1.5cmくらいで、かなり小さい。2時間ほど経った頃、口から褐色の液体を吐いているのを初めて見た。もうすぐ寿命なのかもしれない。翌日、アオムシを食べたのでひと安心。
・1月27日 最初に嘔吐してからエサを3匹食べたのだが、それでも嘔吐が続き、今日はエサを食べず、昼頃になったら、透明だった眼が突然黒っぽく濁った。歩き方は不自然になり、夕方にはほとんど動かなくなった。
・1月28日 前日夜から姿勢を変えていなかったが、日に当てると、なんとか数歩、もがくように歩いた。そして、カゴを前肢でつかんだまま、カゴに頭を押し付けた不自然な姿勢になり、時々、肢が宙を舞うようにわずかに動くだけの状態になった。
・1月29日 朝の姿勢は、前夜とほぼ同じであったが、わずかに肢の位置が違うようだったので、まだ生きていると思って、大好きな日向ぼっこをさせようとして、指でつまんだら、かすかに反応し、生きていることが分かった。日向ぼっこをさせると、また、かすかに肢が動いた。そのまま、夕方まで静かに置いておいたら、肢の位置は変わっておらず、指でつまんでも肢も触覚もどこも反応を示さなかったが、触覚がまだ完全には垂れ下がっていないので、生きていないとは言い切れないから、明日も様子をみよう。翌日、もう動くことはなかった。 ・1月30日 片カマは、12時頃から産卵場所を探し始めたが、逆立ち姿勢になんとかなるものの、場所が気に入らないらしく15時頃には歩きまわるのを止めた。 ・1月31日 産卵場所探し2日目は、10時頃から歩き回り、ちょっと動いては休むことを繰り返し、何度も枝から落ちながらも、頑張って探していたが、肢がほとんど役立たないような状態なので、逆立ち姿勢を保つことができなかった。14:30頃に歩きまわるのを止めた。疲れたのだろう。。。排尿の痕跡を少なくとも3日前から見ていない。内蔵に障害が起きたのだろうか。
・2月1日 片カマのメスが4回目の産卵、前回の産卵から20日後。夜につかまっていた枝で、逆立ち姿勢になり9:50に産卵開始。産卵しようとして3日目なので、9:30から早くも行動開始し、産卵を始めたようだ。しかし、産卵を始めたものの肢が枝にきちんとつかまれずに、肢を動かしながら産卵し、10分ほどして泡が枝に少しつき始めた状態になったが、逆立ち姿勢に耐え切れないらしく、産卵を中止してしまった。
 産卵を中止してからも動き回っていたが、肢の力が弱っているらしく、枝からすぐに落ちるような状態で、もう無理かなと感じたので、食べてくれるか分からないが栄養をつけて明日にでも再チャレンジしてくれるようにコガネムシの幼虫を与えたら食べてくれた。その後、産卵を中止してから約3時間半後、ついに13:50に再び産卵を開始し、17:00に無事に産卵を終えた。産卵を始めた時は、頭を床に着けて体重を支えて逆立ちしているように見えた。産卵が進むにつれて、頭を横にずらすので、卵のうも変形して斜めになった。大きさは、前回とほぼ同様で相変わらず小さい。それにしてもよく頑張って諦めずに産んでくれた。片カマは、肢がボロボロで片眼はほとんど真っ黒という体の状態だったので、静子よりも長生きはできないだろうと思っていたので、まさかここまで生きて産卵するとは驚いた。
・2月12日 おばあちゃんカマキリと呼びたくなるような雰囲気で、腰が曲がっている姿勢になって、活動を停止しているような状態が多くなったが、エサも食べるし、頭部へのグルーミングもしている。しかし、朝、ネットに後肢をからませて、基節の付け根が180度回転し、腿節も折れ目ができて曲がっているのを見つけた。ネットを切って助けたが、歩行に支障があるようだ
・2月21日 片カマのメスが5回目の産卵、前回の産卵から20日後。老化が進んでヨタヨタと歩いていたから、いつ動かなくなるのかと心配していたのが、まだ産卵する力があったことに驚いた。力を振り絞って肢をバタつかせて、もがきながら産卵場所を探していた。カマキリの全身の状態は、12日に曲がった肢は可動域が制限されるようで変な動き方をしている、大顎の片方が黒く変色、上唇周囲が茶色に変色、眼の焦点が合っていないらしくエサを捕まえる時に常にカマが右側にずれる、肢の関節のいたるところが黒く変色、筋力が低下していて腹を持ち上げるのに非常に苦労している、エサは食べており2日前にも食べた、前日はちょっと産卵場所を探すような行動を見せたが、天気が悪いためか10分ほどで歩きまわらなくなった。今日は、朝9時頃から早くも動き始めたが、木の枝の上のほうには筋力低下のため上がれずに床に落ちることを繰り返し、結局、首の後を床に付けた姿勢で12:20に産卵を開始した。しかし、10分ほど粘液を付着させた段階になって、無理な態勢だったらしく、産卵を中止した。そして、体の向きを変えて、すぐ近くの枝に再度産卵を始めた。産卵が終わってから、数時間後に様子を見たら、腹端が卵のうに埋没していた。無理な姿勢で産卵し、しかも老化しているので、産卵を終えてから、力尽きて動けなかったのかもしれない。卵のうから外そうと指でつまんで引っ張ってみたが、5ミリほど腹端が卵のうの中に侵入しており、固く付着していて、無理に引っ張ろうとすると腹がちぎれそうだった。そこで、ハサミなどの器具を使って、腹を傷つけないように卵のうを切ろうとすると、カマキリは痛いらしく、カマでつかんで抵抗してくるので、なるべくやさしく丁寧に10分ほど時間をかけたら無事に外せた。卵のうの形は、いびつで、とても小さい。まさか5回目の産卵をするとは、思えなかったので、エサは負担にならないように少なめに与えていたから、卵のうが小さくなったのかもしれない。
・2月24日 酸っぱい匂いの液体が口から出てきた。昨日にコガネムシ幼虫2匹与えたのが多くて消化不良を起こさせてしまったのだろうか。動きが弱々しくなっているので、もう長くないだろう。
・2月25日 朝、あっけなく動かなくなっていた。あと2,3日かなと思っていたので、早過ぎて、その姿をじっと見つめてしまう。これまで寂しさを紛らわせてくれた片カマさん、ありがとう。
交尾記録1
オオカマキリの交尾 9月1日 畑から連れてきた体長8cmのオスと庭のカマ女王の交尾が成功した。21:40交尾開始 翌日3時頃?交尾終了 メスのカマ女王は、8月21日に羽化したので、羽化11日後である。 オスは、畑のキバナコスモスに2週間前からずっといる個体で、今日もいつものキバナコスモスにいたところを捕獲し、ペットボトルの容器に入れて、家まで1時間かけて連れてきた。ケースに入れてから30分ほどでおとなしくなったので、エサとしてオンブバッタをケースに入れたが、捕らえる気配はない。ケースに入れて3時間ほど経ってから様子を見ると、ずっと天井にしがみついたままのようで、顔をカマで掃除していて、くつろいだ感じがした。オスが落ち着いてきたようなので、交尾を試すことにし、庭のアサガオにいるメスのカマ女王をケースに入れたが、オスがケースから逃げてしまう。オスとメスをケースに入れて、フタを閉めたら、すぐにオスとメスが天井で5センチほど離れて向かい合って、互いに見ている。メスには、午前中にアメリカミズアブを1頭与えただけである(ただし、私が見ていない間に何かを捕食した可能性はある)。メスは、食欲旺盛で大きなエサにもすぐに飛びつくから、心配だったのだが、オスに正対せずにちょっと横を向くように動いた。獲物を捕らえる時と様子が違うので、オスだと認識したのだろうと思った瞬間に、どちらかが飛びついて、2頭がもつれて下に落ちた!落ちた時には、既にオスがメスの上に乗っていたので、オスが飛びついたようだった。しかし、オスの顔がメスのお腹に向いていて、向きが違う。数秒後、オスはメスの上に乗ったまま向きを素早く変えて、すぐに交尾のために腹を曲げた。メスをケースに入れてから、わずか3分くらいの出来事であった。こんなにすぐに交尾が開始されるとは思っていなかったし、当初の計画では、じっとしているオスの近くに、オスが見えない向きにしてメスを置くつもりだったから、想定外だ。このような素早い交尾開始は、フェロモンによってオスとメスは相互に同種の異性だと認識した結果ではないかと思う。 交尾開始30分後、同じ場所で同じ状態であった。メスとオスの触覚が波打つように動き続けていた。触覚をこんなに動かしている姿はこれまで見たことがない。交尾開始2時間後、まだ同じ状態だ。交尾終了後にメスがオスを食べてしまわないように、メスの目の前にオンブバッタを置こうとしたら、オンブバッタを挟んだハシが怖かったためか、メスはオスを乗せたまま20cm移動した。10cm離れたところにもオンブバッタがいるのだが、興味を示さない。交尾開始3時間後、交尾中であるが、終わるまで待っていられないので、翌朝にオスが無事でいることを願いつつ寝る。 夜中の2:30に寝ぼけながら起きて、カマキリを見たら、まだ交尾中であった。再び寝ても気になるせいか4:40にまた目覚めたら、交尾は終了し、オスは無事であった。交尾は6時間程度であったようで、空は白み始めていた。カマ女王は、非常におとなしく、ケースから出して庭に移す作業は簡単であった。 朝になって、再び見たら、オスはケース内にいたオンブバッタを捕食したが、足とか羽は好きではないらしく食べず、体は半分くらい食べて、オンブバッタを放り投げた。オスは本当に少食である。食べ残しは、カマ女王に与えたら、残さず食べてくれ、様子はいつもと同じようであって、交尾させるためにケースに入れたストレスによる影響はないように思う。メスの生殖器官は、開いたままになっており、脈動している様子が生々しかった。オスの生殖器官は交尾後に目立った変化はないようだ。 ケースは、高さ40cmのダンボールに穴を開けて、タマネギネットで通気性を確保した。天井は、ラップで中が見えるようにしたが、天井が見えると、カマキリは逃げようとするので、天井は見えないように紙で覆っておいた。 メスが卵のうを3個産んでくれれば、畑のオオカマキリを増やせるだろう。私の考えでは、カマキリ類が600平米の畑に数頭しかいない現状は、少なすぎると思うのだ。普通の農地や荒地では、たとえ卵のうが産み付けられたとしても、卵のうが産み付けられた草や作物は、冬には埋められる等の処分されるか、刈り倒される。刈り倒されて地表に卵のうが落ちてしまうと、オオカマキリは孵化に失敗してしまうのだ。その結果、非常に減少してしまうのだと思う。現在、畑には、オスが3頭いるようだが、メス成虫の姿を見たことがない。もしかしたら、庭にいるメスうちの1頭のように低い場所にばかりとどまっているメスも畑にはいるのかもしれない。来年は、畑でのメス成虫の挙動を観察して、畑でのオオカマキリの生き方を知りたい。 2日連続でオスは交尾できるようだ(参考:カマキリの雄は2連チャン)。今回のオスは交尾から半日で、逆さになって腹を曲げる姿勢になりだしたのだが、この姿勢はフェロモンを放出し、交尾可能な状態と思えるのだ。実際、オスがいたケースにメスを入れた時に、メスはすぐにオスだと認知したようだったので、オスもフェロモンを放出しているようなのだ。しかし、翌日に交尾させるのは、精子の数が少ないのではないかと思って、翌々日にする。

交尾記録2−1 失敗
メスにしがみつくオス9月3日 メスが性的に成熟していないようで、雄は挿入しようとしたが交尾に至らず、マウントしたまま1時間、その後、両者を引き離した。メスは、8月24日に羽化したので、羽化10日後である。
もつれたオスとメス経過9:53 庭のアサガオに地上から30cmほどの所にいた静子を、雄がいるケースに投入、雄との距離は10cmほどで、雄はすぐに雌に気がつくが、雌は気が付かず、そのままの姿勢でカマの掃除をしていた。10:11 雄は雌を凝視したままであったが、雌に飛びかかれるような脚の位置にゆっくりとなる。10:12 雄は雌に飛びかかるものの横向きに置いてあったペットボトルの上にいた雌ごと雄は床に落ちる。雄と雌は向かい合う姿勢で2,3分じっとしていたが、雄が動いて雌が横向きになる。写真では、上に乗っているのが雄で、雌の腹を抱えている。雌は、目の前に雄の脚や腹があるのに、じっとしたまま動こうとしない。
10:20 雄は姿勢を変えようとしたら雌はもがいて、両者は離れ、壁にとまって、頭を上に向けた姿勢で10cmほど離れている両者は、動かなくなった。雌が先に雄に気がつくが、雄は前を向いたままじっとしている。しばらくすると雌は、雄より少し高い場所に移動する。10:49 雄は雌に気が付き、凝視したまま。雌は時々雄と視線を合わせる。11:16 雄はようやく脚の位置を整えた。11:20 雄が雌に飛びかかって、カマを腹部の上に掛けて雌に乗る。雄はすぐに交尾を始めない。11:23 3分後、雄は腹部を曲げて雌の生殖器に入れたようだ。11:40 交尾が始まったものと思って、私はその場を離れていたら、雄は雌の上に乗ったままだが交尾をしていない。雄は交尾器を出したまま、腹を伸ばしてじっとしている。12:16 雄は交尾器を引っ込めた。12:50 雄は、再交尾をしようとはせずに、雌の上に乗ったままだったので、両者を引き離した。しかし、雄は雌に強くしがみついており、簡単には離れず、慎重に雄を引っ張ったつもりであったが、雄の後脚の爪が雌の腹部にひっかかり、雌の腹部右側が傷つき、体液が流れ出てゴマ粒ほどの大きさの緑色をした固まりになった。無理に引き離そうとはせずに、自然に離れるか、たとえ数日かかったとしても再交尾するまで待てばよかった。5ヶ月間も見守ってきた雌を傷つけてしまった。回復してくれることを祈る。 →翌日、固まっていた体液は、はがれていたが、傷はふさがっていて、もはや体液は流れていない。傷つけられたメスは、非常に臆病になっていて、オンブバッタを与えようとすると、跳ねて逃げる。→数日後、異常な臆病さはなくなり以前と同じようになった。 参考)前胸部が折れたチョウセンカマキリでも長生きした様子
交尾記録2−2 成功
9月9日 前回失敗したペアで再度、試みる。メスは、8月24日に羽化したので、羽化16日後である。交尾は30分程度の短時間を繰り返して、長時間に及んだので、失敗か成功か判断しにくかったが、精包が送り込まれたのを確認したので成功と判断した。10:15 メスを投入したら、オスは驚いて箱の外に飛んで逃げる。メスはすぐに落ち着き、その場でじっとしている。オスを箱に戻したが、メスには気が付かない。メスはオスのほうを見ている。10:30 両者とも大きな動きはなかったが、天井にしがみついていたオスはようやく壁にいるメスに気がつき、メスのほうをじっと見ている。メスは、オスのほうは見ずに前を見て、カマの掃除をしており、リラックスしているようだ。11:30 両者とも同じ場所にいたまま1時間が経過、メスは触覚の掃除などをしてリラックスした様子で、オスはピクリともせずにメスを見続けていた。メスが天井に向かって歩き始め、天井に近づいた時、オスは羽を使って20cmほど飛んでメスに乗った。まさかの展開だった。オスの態勢は、天井につかまってのけぞるようにメスを見ていたので、態勢を変え少し近づいてから跳び乗るのだと思っていたのだが、アクロバティックにいきなり飛んだのだった。オスは、一発でメスにつかまり、すぐに交尾器を挿入した。メスは、羽を使ったオスが飛んできたにもかかわらず、静かにその場でじっとオスを受け入れている。メスが驚かなかったのは、オスが近くにいることを認識していたのか、それとも乗っかられた時に瞬時に匂いでオスだと判断したのだろうか。12:00 オスの交尾器が外れていた。再度、オスは挿入を試みるも、うまくいかないようだ。12:40 交尾を再開していた。13:10 また外れた。数分後、再開した。13:50 また外れていた。17:20 交尾していた。(ずっと見ていたわけではない)18:45 また外れていた。19:30 オスとメスが離れていたので、メスを箱の外にだそうとしてフタを開けたら、オスが驚いてメスの方向に歩いいていってしまい、なんとメスに乗っかった。フタを開ける前は、オスはメスのほうを見ていなかったので、偶然なのであろう。すぐにオスは交尾を始めたが、2分ほどで交尾をあきらめた。メスは、オスにされるがまま、ずっとおとなしくしている。24:00 何度か交尾を試みているようだが、持続はしていないようだ。私はもう寝るので、オスが食べられないように、生きているオンブバッタをメスの目の前に置いたが、メスはオンブバッタを捕らえようとする感じはしない。メスの静子は、庭にいる時も臆病だからなあ。それにしても、もう交尾開始から12時間も経った。今は、オスはメスにしがみついているだけだ。。。2:30 横に移動していたが、まだオスはしがみついている5:50 同じ状態のまま7:40 同じ状態。与えておいたオンブバッタを雌は食べていなかったので、再度、目の前に置いたら食べた10:00 オスは交尾をしようとはせずに、ただメスにしがみついているだけだ。11:00 昨晩、撮影した写真を見たら、メスの交尾器に精包が送り込まれていた。そこで、オスを引き離そうとしたのだが、オスはカマでメスに強烈にしがみついていたので、引き離すのを諦めた。オスは朝から交尾をしようとはせず、ただしがみついているだけなのに。メスは、オスを嫌がっているようで、頭を下にした。

交尾記録2−3 成功
10月5日 11時頃、庭にやってきたオスを見つけたので、静子の下30cm位にオスを移動させたら、早速、メスを見つけて凝視を始めた。昼間は、メス、オスともじっとしたまま。暗くなってから、メスが移動したが、頭を下にしているので、オスは20cm位の距離をとったままだった。オスは腹を左右にゆする行動を見せ、この行動はメスにも見える位置だったので、メスに対するディスプレイなのかフェロモンを放出したのだろうか。
10月6日 そのままの位置で夜を越した。それにしてもオスは、メスを凝視したままで、おそろしく忍耐強い。11時頃、メスは移動したので、オスは背後から近づき、15cmくらいになった時、メスが振り向いた。その瞬間、オスはメスに飛び乗る。オスは、すぐに交尾をしようとした感じはしたが、なぜか腹を曲げずに伸ばしたままでいる。オスの体長はメスよりわずかに長いようで、オスが腹を曲げてもメスに届かない?ので、交尾ができないのかもしれない。体長(前胸〜翅端)を測ったら、オスは約88ミリ、メスは約84ミリだった。
 1時間後、メスが移動して、頭が下になったところ、オスは交尾を開始した。オスはメスを見つけてから丸1日経って疲れているので、メスに乗ってひと安心してちょっと休んで、それから交尾を始めたのかも。交尾は途中で中断しながら4時間ほどで終わった。
2009年 庭のニガウリに住み着いたカマキリ
 一匹小さいカマキリが住み着いてくれ、見るのが楽しみ。昨年もニガウリに一匹住み着いたので、ずっと観察していた。カマキリの生き方ひとつをとっても、知って驚くことがまだまだある。・8/18 ニガウリに住み着いた時は、3cmくらいだった大きさが、今では7cmくらいになっていたけど、まだ幼虫。オオカマキリかチョウセンカマキリのどちらかだと思うが、前脚の付け根の間の色は、薄い黄色なのでオオカマキリだろう。サツキに付くイモムシを与えたらよく食べたので、サンショウにいるナミアゲハの幼虫、鳥のフン模様ではなくて緑色になった体長25ミリくらいのイモムシを与えてみたら、幼虫の頭から出る黄色の臭角の臭いにおいなどものともせずに食べた。それ以来、ずっとナミアゲハの幼虫がいたらオオカマキリに与えている。・8/21 朝から同じところにいて、頭だけはこっちに向けて動いていたが、あまりにも動かないので、この機会に体長を測ったら7cmだった。オオカマキリ左の写真は、熟して裂けたニガウリの実に来る虫を狙ってじっとしていたオオカマキリの幼虫 8/22
オオカマキリの脱皮・8/31 昨晩、脱皮して成虫になっていた。脱皮する前は、昆虫を与えても食べない日が2日間あった。左の写真は、脱皮した抜け殻が左に透けて見え、オオカマキリはまだ羽の色が薄い。その後、羽は茶色くなった。
・9/1 脱皮後は、体が硬くなるまで、あまり動かないし餌も食べない。虫を与えようとすると、すぐにオオカマキリは逃げてしまう。数日後になったら、またイモ虫を食べるようになった。・9月下旬 虫を与えても見向きもしなくなって1週間くらいしたら、どこかに行ってしまった。ペアを求めて旅立ったのだろう。

コカマキリ

コカマキリ コカマキリは、茶色で小型のカマキリ、地表を歩き回っていることが多い。特徴はカマの内側に黒色、白色、桃色の模様があるので、他種と容易に区別できる。オスは体が軽いので、よく飛ぶ。写真は、ラッカセイにいたコカマキリのオスで、写真を撮ろうとしたら、短い距離をよく飛んで逃げ続けた[2010/9/4]

参考資料

1.「昆虫ハンター カマキリのすべて」 カマキリの卵や交尾、成虫の特徴、標本の作り方、飼育方法、日本産のカマキリ11種、など幅広く、詳しく書かれている。
2.カマキリの共食い:伝説の検証、とある昆虫研究者のメモ
3.カマキリの野外における捕食量の推定、京都教育大学
4.ハラビロカマキリの配偶戦略 I. : フェロモン放出と異常な配偶行動 ハラビロカマキリの配偶戦略 : II.雌による雄の認知ととも食い ハラビロカマキリの配偶戦略III. : とも食いの特性と雄間競争
5.カマキリの卵期死亡率と死亡要因について、松良俊明
6.松良俊明,カマキリは滅んでしまうのか? : オオカマキリとの対比を通しての考察(2007)
2010.11.30 Tuesday | 畑の害虫、虫、動物 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
リンクも含め非常に参考になりました
| abcd | 2011/09/18 8:24 PM |
 

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