週末ファーマーによる自然農の野菜栽培

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自然農の野菜づくり

第1章 生命の営みをつなぐ自然農の要諦(畑の準備をする、野菜を切らさない作付けの工夫 ほか)
第2章 自然農の野菜・つくり方のポイント
第3章 自然農の野菜などの加工・保存の工夫


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 川口由一氏の提唱する"自然農"を理想として、耕起せず、肥料はやらず、雑草は抜かず、害虫をも防除しない(化学農薬も自然農薬も不使用)で、野菜を育てることを目指しています。多種類の豊富な動植物と共存する生物多様性を実現する家庭菜園にするべく、群馬県西部で週末に農作業をしています。ビニールのマルチやトンネルなどの非再生資材は使わず、農業機械も使わずエコロジーです。ただ、地力不足なので、有機質肥料を少し与えることもあります。


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ソルガム(ソルゴー)の栽培
 農業分野では、ソルガムと呼ばれることが多いが、植物学的にはモロコシ、雑穀として販売される時はタカキビ、糖分が多い種類はソルゴーと呼ばれることが多い。学名は Sorghum bicolor。スーダングラス(学名:Sorghum sudanense、英名:Sudan grass)は、ソルガムの近縁種で交配可能であり、主に牧草として利用される。
 糖用ソルガム(ソルゴー、sorgo)は、茎は多汁で甘いため、甘味料を得るために用いられてきたが、アブラムシが多く発生するので、それを食べる天敵も多く発生し、バンカープランツとしても利用されるようになっている。
参考・ソルゴーを障壁(バンカー)とした露地ナス栽培、農林総合研究センター安全環境科らソルゴー植えたらホントにナスがきれいにできた、現代農業2001年6月号ソルゴー障壁栽培について [京都乙訓農業改良普及センター]
 農林水産省試験研究機関におけるソルガムの分類・呼称は、「子実型ソルガム、兼用型ソルガム、ソルゴー型ソルガム、スーダン型ソルガム、スーダングラス」の5つに統一している(参考:長野県畜産試験場 ソルガムの紹介

種の例
メートルソルゴー 1kg

メートルソルゴー

草丈が低く、ハウス内での緑肥作物としても利用される
高性ソルゴー 1kg

高性ソルゴー

高さ2メートル位になるタイプでドリフトガードにもなる
低性ソルゴー(1kg入) 【4月上旬頃より出荷】

低性ソルゴー

草丈が150cm位の低めの品種

ソルゴーの麦角


 麦角は、主にイネ科の植物の穂に生えた角状のもので、麦角菌が寄生したことが原因で生じ、麦角には毒性がある。日本では家畜の中毒が知られているが、中世ヨーロッパでは、ライ麦の麦角により「足や手の血管が収縮して血のめぐりが悪くなり、赤く脹れたり痛んだりした後、重症になると壊疽を起こして炭のように黒くなって崩れ落ちる。妊婦は死産し、脳神経系にも作用して幻覚や痙攣なども現れた(エンドファイト感染草摂取による中毒症に関する研究より)」という。
 飼料作物病害図鑑 ソルガム・スーダングラスの病害によれば、「日本で発生する病原菌は二種あり、Claviceps sorghicolaでは、秋口に牛の角状、表面は白色のかびに覆われ、その下は黒紫色、長さ0.5〜3cmの固い麦角を形成する。激発時はすべての穎花が麦角化する。Claviceps africanaでは麦角は白く、柔らかく、あまり目立たない。C. sorghicolaは関東を中心に、C. africanaは九州を中心に発生する」という。日本で発生するソルガム麦角病とその防除法によれば、スーダングラスおよびスーダン型ソルガムには麦角病に対する抵抗性品種種があり、これらを早播きすれば麦角病は回避できるという。
 日本産糸状菌類図鑑のモロコシ麦角病菌、Claviceps sorghicolaClaviceps africanaに詳しい生態が記載されている。
 ソルガムの穂ソルガムの麦角
 左上の写真が正常なソルゴーの穂で、実は茶色く丸いが、右上の写真では白く細長いものが麦角である。ソルゴーは雑穀であり、食べることもできるが、私が栽培していたものは実が茶色でタンニンが多くて渋いらしいので、食べるつもりはなかったが、およそ4割程度の穂に麦角があり、蔓延していた。

無肥料だとアブラムシはほとんどいなかった
 「アブラムシがたくさん発生するので、バンカープランツになる」というのが、慣行栽培である。しかし、自然農・無肥料栽培では、アブラムシはほとんど発生しないので、ソルゴーはバンカープランツにはならないし、イネ科の雑草のエノコログサやメヒシバなどにもアブラムシがいるので、ナナホシテントウは雑草の中に棲息している。わざわざソルゴーを植える必要性がないのだ。慣行農法のナス畑に植えられているソルゴーの葉の色は、非常に濃い緑で黒っぽいが、自然農・無肥料栽培では薄い緑色をしている。
ナス畑のソルゴーナス畑のソルゴー拡大
自然農のソルゴー 上の写真2枚は慣行農法のナス畑で、左の写真は私の畑で、同じ日の8月28日に撮影した。ナス畑のソルゴーの葉は、アブラムシの出す甘露で黒くすすけている葉もあった。私の畑のソルゴーでは、アブラムシはいないようだった。


ソルゴーを育ててみる 2010年

 ソルゴー(ソルガム、もろこし、たかきび) は、天敵の棲家になるバンカープランツということなので、畑の隅に植えてみた。種は、近所の畑でいただいたもので、ソルゴーの背は1.5mくらいの低いタイプだ。
 日平均気温が15℃以上になれば播種できる(タキイ種苗)とのことなので、群馬では5月上旬から種まきができるようだ。
 覆土は、1〜2cm。

 「ナスのソルゴー巻き(障壁栽培)」が広がっており、ソルゴーに付くアブラムシはナスに付かない。でも、トウモロコシには、ソルゴーのアブラムシが飛来する。また、アワノメイガもソルゴーで発生するので、秋どりトウモロコシやハトムギには、被害が大きくなりそうな予感もするが、とにかくやってみよう。

 ソルゴーの種は、日のあたる軒下に放置し、しかも大雨が降ると水に濡れていたので、発芽率は相当に悪いかと思っていたが、6割くらいは発芽した。

6月5日 畑の端に種を播いた。種まきは、5月上旬の予定だったが、他の作業に追われて、バンカープランツ用のソルゴーは後回しにしていたら、種まきは1ヶ月も遅れた。種が小さいので覆土は5ミリ位にしてしまったが、土が乾燥して雨も降りそうにないのだから1cm位にすればよかった。
ソルゴー発芽6月19日 6割くらいが出芽していた。発芽率が悪いかと思っていたので、1ヶ所に十数粒も播いたから、まとまって芽が出てきてしまった。

ソルゴー8月8日8月8日 畑の端に種を播いたソルゴーは、地力不足も著しいようで、極端に緑が薄い。アブラムシもアワノメイガも見当たらない。バッタが少しかじるくらいだ。

ソルゴーの実が熟した10月16日 ソルゴーの実が熟した。8月の葉の色はあれほど薄かったのに、ちゃんと実が成るのだから、ソルゴーは強い作物だ。



2010.11.16 Tuesday | 野菜栽培 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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