週末ファーマーによる自然農の野菜栽培

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自然農の野菜づくり

第1章 生命の営みをつなぐ自然農の要諦(畑の準備をする、野菜を切らさない作付けの工夫 ほか)
第2章 自然農の野菜・つくり方のポイント
第3章 自然農の野菜などの加工・保存の工夫


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 川口由一氏の提唱する"自然農"を理想として、耕起せず、肥料はやらず、雑草は抜かず、害虫をも防除しない(化学農薬も自然農薬も不使用)で、野菜を育てることを目指しています。多種類の豊富な動植物と共存する生物多様性を実現する家庭菜園にするべく、群馬県西部で週末に農作業をしています。ビニールのマルチやトンネルなどの非再生資材は使わず、農業機械も使わずエコロジーです。ただ、地力不足なので、有機質肥料を少し与えることもあります。


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畑のイモムシ、毛虫

ダイコンシンクイムシ(ハイマダラノメイガ)

 ダイコンシンクイムシ(ハイマダラノメイガの幼虫)は、アブラナ科のまだ小さい苗に発生する。ハイマダラノメイガの成虫は、1株につき数粒づつ、葉柄の付け根付近に産卵する。群馬では8月中旬〜10月頃まで被害があるようだ。
【対策】
 幼虫が孵化して2日くらいのうちなら苗の生長に大きな影響は与えないと思うので、毎日よく見て、早期に捕殺することに尽きると思う。しかし、小さな幼虫は非常に見つけにくく、目が良くないと見えない。また、捕らえるためには、顔を苗に20cmくらいの距離まで近づけなければならないから、畑では腰が痛くなってしまう。ポット苗なら持ち上げることもできるが。。。
 一般的な対策は、被覆資材を被せて成虫の侵入を防ぐことであるが、私は資材は使わない。捕殺するには多大な労力が必要となるので、結局のところ、余分に種を播いておくことが一番かもしれない。
ハイマダラノメイガ孵化直後左の写真は、ハイマダラノメイガの幼虫(ダイコンシンクイ)で、孵化してから1日か2日くらいしか経っていないと思われる状態で、幼虫は3頭いる。ディスプレイ環境にもよるであろうが、肉眼で見たら左のような大きさに見え、幼虫が3頭いることは分からないであろうから、写真を拡大して見てもらいたい。幼虫は、針金の先に2頭、その下にちょっと離れて1頭いる。写真に写っている針金の太さは、0.3mmしかない極細のものであるが、ハイマダラノメイガの孵化したばかりの幼虫は、針金よりも細く、肉眼で見つけるのはかなり困難である。しかし、慣れれば、葉に小さな穴が開いている状態やほこりのような糞を見て、見つけることができる。見つけたとしても、指先では小さな幼虫を取り除くことは難しいので、針金を使う。このくらい小さな幼虫の時に駆除できれば、ほとんど生長には差し支えないが、2、3日もすると芽が食べられてしまう。[写真2010/9/12]

 下の写真では、5,6匹のダイコンシンクイムシに中心部と小さな葉が食べつくされていた。中心部を食害されても、葉が2,3枚残っていれば、生長は遅くなるものの、次の写真のように脇から新芽が伸びてきて根も太くなることもある。
ダイコンシンクイムシの食害でボロボロになったダイコン
芽が2カ所あるダイコン 中心部を食害されても、脇から芽が2つ出て生長したダイコン。まるで髪の毛を2つに結ったようだ。
ダイコンシンクイムシ中心部 生長点近くの部分を食害するダイコンシンクイムシ。左の写真は、生長点近くが茶色くなっていたので、手で払ったところ、ダイコンシンクイムシがあわてて出てきた。
ダイコンシンクイムシ葉の間 ダイコンシンクイムシは中心部の葉だけでなく、葉を綴り合わせた中にも潜んでいる。左の写真では、中央部の上、葉が丸まっているところを手で開いたら、ダイコンシンクイムシの体が少し見えた。
ダイコンシンクイ 縮れた葉を手にとって開くとダイコンシンクイがいた。
ダイコンシンクイムシの繭 ダイコンシンクイムシは、砂粒や土を糸でつづって繭をつくる。左の写真の中央部には、ダイコンの株元を探っていて見つけた繭があり、繭の左側からシンクイムシの頭が少し見えており、まだ幼虫は蛹にはなっていなかった。

カブラハバチ


カブラハバチの幼虫カブラハバチの幼虫は、アブラナ科野菜を食害し、特にダイコンによく見られる。全身真っ黒なので、「ナノクロムシ(菜の黒虫)」とも呼ばれる。カブラハバチは黒いので目立ち、すぐに見つけられるが、幼虫を捕まえようとして手で触るとすぐに丸まって地面に落ちてしまう。幼虫は大きくなっても1.5cmほどなので、多発しなければ放置しておく。


ヨトウガ


 幼虫は極めて多食性で、イネ科以外のほとんどの植物を食害する。老齢の幼虫は、日中は土中や株の地際に潜み、夜間に地上部に出てきて食害する。秋季の低温短日条件によって休眠に入り、蛹の状態で土中で越冬する。頭部は黄褐色で不明瞭な暗褐色の斑紋があり、胴部は灰黒色、暗褐色、暗緑色などで数多くの小さな黒点がある。
 ヨトウガ幼虫の特徴は、「サナギになる前の幼虫には、頭部や腹部に黒色で八の字のような模様がる。頭部は黄褐色で独特の褐色の模様があること、腹部の末端節は少し角張ることなどの特徴がある。若い幼虫の体色は、薄緑色で成熟幼虫とは全く異なる(京都市保健福祉局保健衛生便り)」
ヨウトウガの幼虫?2010/4/3 オオイヌノフグリの草刈りをしていたら、地表にいたヨトウガの幼虫。幼虫でも越冬するようで、この日は3頭の幼虫がいた。


ジャガイモ圃場のヨトウガ幼虫に対する捕食性天敵

ハスモンヨトウ

 ハスモンヨトウの幼虫は、非常に多くの種類の作物を食害する。頭の後ろに一対の黒く丸い斑紋があり、老齢幼虫では、背の中央に1本、左右に2本の橙色の線が明瞭となる。背面の節ごとに1対の黒い三角形が連なる。若齢幼虫は、葉の裏に群がり、葉の表皮だけを残して食べるので、葉が白く見える。中齢幼虫になると、分散する。
 耐寒性は弱く温暖な西日本でもハウス内などで越冬するという(参3)。卵は、数百個の塊で葉裏に産みつけられる。幼虫は老齢になると、日中は物陰に潜み、夜間に活動するようになる。
ハスモンヨトウ集団の拡大ハスモンヨトウ集団
 上の写真は、オクラの葉裏にいたハスモンヨトウ幼虫の集団[2010/10/23]

天敵
ハリクチブトカメムシ、シロヘリクチブトカメムシは、幼虫の間にハスモンヨトウ100匹を捕食する(参1)。
ヨトウタマゴバチ、キイロタマゴバチは、ヨトウムシの卵に寄生する。
カエルは、ヨトウが多いところではヨトウを食べる(参2)。

参考)
1.現代農業1999年6月号
2.現代農業 2002年6月号
3.九州沖縄農業研究センター 地域基盤研究部 害虫生態制御研究室
.食葉性害虫の発生生態と防除 ハスモンヨトウ
.施設におけるハリクチブトカメムシを利用したハスモンヨトウの防除
.捕食性天敵シロヘリクチブトカメムシの増殖能力と捕食量について

アオムシ(モンシロチョウの幼虫)


アオムシ うちの畑では、アシナガバチなどが捕食してくれるうちは、アオムシは大きくなれず、葉を食べられても少しだけで済む。9月になるとアシナガバチの営巣活動が終わりになり、大きなアオムシが見つかるようになって被害は大きくなる。左の写真は、ブロッコリーの葉脈の上でじっとしていた体長3cm弱のアオムシ[2009/9/12]

アブラナ科の雑草
畑の雑草:ナズナ、オオアラセイトウ(別名ショカツサイ、ハナダイコン、ムラサキハナナ)
水田雑草:イヌガラシ、タネツケバナ

アオムシコマユバチ
 アオムシの天敵は、アオムシコマユバチという体長3mmほどの小さな黒いハチ。野生状態では、アオムシの半数以上がアオムシコマユバチに寄生されているという。しかし、アオムシコマユバチ
に寄生されたアオムシは食べるエサの量が増すし、アオムシが蛹化しようとするまでアブラナを食べ続けてしまうので、すぐにアオムシによる被害は減らない。アオムシコマユバチは、食害されたアブラナ科植物の葉から出る化学物質に、引き付けられてやってくるそうで、アオムシコマユバチはアオムシ以外の虫の食い痕には反応しないという。

【参考】
アブラナ科植物をめぐる植物―昆虫―天敵の相互関係、滋賀県立大学

観察記録
2009/7/25 こぼれ種から発芽したかき菜が、イネ科雑草のメヒシバとエノコログサの間で、雑草と競うように生えている。日光の当たる葉は、アオムシに食べられてはいるものの、それほどひどくはない。陰になる葉は、アオムシに食べられて、ボロボロだが、光が当たらないので、問題はない。2週間ほど前から観察しているが、アオムシの卵は産み付けられていても幼虫はいない。アシナガバチが来て、捕食しているようだ。ある程度の大きさにまでかき菜が成長すれば、アシナガバチがその場所を覚え、定期的に訪れるようになるのではないかと推測される。カイランは高さ2cmくらいだが、アオムシがいたのでアシナガバチは見逃しているようだ。
カイランが成長したら、アオムシはいなくなったので、作物がある程度大きくならないとアシナガバチも気づかないのかもしれない。

ツマグロヒョウモン

 初めて見た時に、あまりの毒々しさに思わずつぶしてしまったけれど、きれいなツマグロヒョウモン蝶の幼虫だという。トゲに毒はなく、見かけ倒し。幼虫は、スミレ属を食草とするので、畑の野菜には害はない。[写真2009/9/13]
ツマグロヒョウモンの幼虫ツマグロヒョウモンの蛹 ツマグロヒョウモンの蛹には、銀色に輝く突起が10個ある。この写真の蛹は、草刈りをしていた時に、地表に落ちていたのを見つけたもの。幼虫は、地表から少し高いところで草などにぶら下がって蛹になり、そして羽化する。私は蛹が本来ぶら下がっていることを知らずに、地表に置いてしまったが、無事に羽化できただろうか[写真2010/9/5]
ツマグロヒョウモン雌 ツマグロヒョウモンの雌が、スミレに来て産卵していた。[2010/8/28]


ワタノメイガ

ワタノメイガ ワタノメイガの幼虫は、オクラなどのアオイ科の植物を食べる。葉を筒状に巻いて、その中で葉を食べる。発育が進むと、移動して新しい葉巻を作るので、多発すると被害は大きい。体色は、透明感のある淡い緑色で、老熱すると赤褐色となる。ワタノメイガサムライコマユバチという幼虫に寄生する蜂などの天敵がいる。
 写真は、葉が巻かれたオクラの葉を開いて、ワタノメイガの幼虫を確認したところ[2010/9/5]。


イモキバガ

イモキバガイモキバガの巣
イモキバガの幼虫。サツマイモの葉を折りたたんだり、葉と葉を糸でつづり合わせたりした巣の中で、表皮を残して葉裏を食害する。サツマイモの葉を食害するイモムシの中で葉をつづり合わせるのはイモキバガだけなので、見分けやすい。イモキバガの幼虫は、ヒルガオ科の野菜、サツマイモ、エンサイ(空心菜)を食害する。[写真はサツマイモを食害していたイモキバガの幼虫。2010/8/15]

シロオビノメイガ

シロオビノメイガ幼虫シロオビノメイガの幼虫
 シロオビノメイガは草原にいる普通の蛾で、幼虫はホウレンソウの主な害虫である。シロオビノメイガの幼虫は、半透明で黄緑色の体色をしており、アカザ科(ホウレンソウ、フダンソウ、テンサイなど)、ヒユ科(ヒユナなど)植物の葉を、裏側から薄皮だけ残して食べ、やがて薄皮が破れて穴が開く。幼虫は生長すると、糸を吐いて葉をつづり合わせ、その中に潜むようになる。写真の左は、バイアムの葉裏にいたもので、葉の表皮を残して食べていることがよく分かる。右は、バイアムの葉をつづり合わせた中にいた幼虫である[2010/8/22]

エビガラスズメ

エビガラスズメが空芯菜を食べていた エビガラスズメの幼虫は、体色は緑色、褐色、黒色など変化に富んだ模様で、褐色型や黒色型は顔面にはっきりした黒の縦じまがある。1齢〜3齢幼虫は、全て淡緑色であるが、4齢以降に体色変異が見られる。エビガラスズメの食草は、ヒルガオ科のサツマイモ、ヒルガオ、アサガオ、ヨルガオ、ルコウソウ、マメ科の小豆、フジマメ、ツルナ科のツルナなど。なお、スズメガ類の幼虫は、尾角がある特徴がある。
 写真のエビガラスズメの幼虫は、空芯菜の葉を食べていた[2010/9/12]
スズメガの幼虫ヒルガオを食べていたエビガラスズメの幼虫[2009/10/3]
参考)
エビガラスズメ幼虫の体色多型性とホルモン支配

セスジスズメ

 セスジスズメの幼虫は、黒いイモムシでとても大きくなり、終齢幼虫では9cm程度にもなり、サトイモなどの葉を多量に食害する。幼虫の側面には2列のオレンジか黄色の斑点が連なっており、成長すると白い縞模様が現れる。尾部にある尾角(しっぽ)は、付け根がオレンジ色で先端は白い。セスジスズメの幼虫は、土に浅くもぐって蛹になる。セスジスズメの幼虫は、サトイモの他、サツマイモ、ホウセンカ、インパチェンスなども食害する。
 うちの畑を見ると、大きく育ったサトイモの株よりも、小さな株のほうがセスジスズメの幼虫は好みで、小さな株のほうが株元に隠れやすいのかもしれない。葉が食べられているのに幼虫が見つからない場合は、根元の枯草などの隠れることができる場所にいる。

フタトガリコヤガ

フタトガリコヤガの老齢幼虫 フタトガリコヤガの幼虫は、アオイ科の植物(オクラ、ワタ、ムクゲ、フヨウなど)の葉を食べ、まばらに毛の生える毛虫であり、常に葉の上にいて隠れていない。老齢幼虫は、黒と黄色の模様とお尻の赤い模様が目立ち、体長4センチほどになる。若齢幼虫は、全体に黄緑色をしている。腹脚は第5、第6節の2対しかなく、尺取り虫のように歩く。
フタトガリコヤガ2型模様 幼虫の模様は、緑地に、白で縁取られた楕円形のオレンジ色の紋が並んだものもいる。オクラの葉の上にいた個体。撮影[2010/9/11]
フタトガリコヤガの若齢幼虫 フタトガリコヤガの若齢幼虫には目立つ模様はない。オクラの葉の上にいた。[2010/8/28]


コナガ

キャベツ害虫コナガの有用な捕食性天敵3種 野菜・茶業試験場」によれば、有用な捕食性天敵は、ウヅキコモリグモ、オオアトボシアオゴミムシ、キボシアオゴミムシであり、セアカヒラタゴミムシとキンナガゴミムシも同様な捕食量を示すという。

キアゲハ

キアゲハ5齢幼虫キアゲハの幼虫(左の写真は5齢幼虫)
 キアゲハの幼虫の食草は、セリ科植物で、セリの他、ニンジン、ミツバ、アシタバ、パセリ、フェンネル、セロリなど。孵化してから2週間前後で蛹になる。大きくなった幼虫は、すさまじい勢いでニンジンの葉を食べ、茎ばかりにしてしまう。3齢幼虫までは黒っぽく、4、5齢ではシマ模様になる。
キアゲハ4齢幼虫 白地の模様なので4齢と思われる幼虫。


ウリキンウワバの幼虫

ウリキンウワバ幼虫 ウリキンウワバの幼虫は、ウリ科植物のカボチャ、キュウリ、メロン、特にヒョウタンやユウガオを好んで食べるが、11月以降ではハクサイ、ダイコンなどアプラナ科植物も食べるようである。尺取り虫のように体を曲げて移動する。越冬は、中齢以降の幼虫や蛹と推定されている。写真は、真冬のハクサイにいた個体。斑点が黒い個体が多いようだが、緑色の個体もいる。天敵は、寄生蜂のキンウワバトビコバチなど。
 卵は葉裏に1粒ずつ産みつけられ、多発しない限りは作物の被害はたいしたことはない。
参考
ウリキンウワバ(瓜金上羽):緑色の個体の写真
農林水産研究文献解題 ウリキンウワバ
ウリキンウワバ体内における多胚性寄生蜂キンウワバトビコバチの胚子発生

2010.11.14 Sunday | 畑の害虫、虫、動物 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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